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大丈夫ですか?賠償責任保険

 地球温暖化の影響でしょうか。近年、集中豪雨や猛烈な強風などによる大きな被害を受けることが頻繁になっているように思われます。
私の自宅付近でも、老朽化し居住者がいなくなった家屋のトタン板が強風によって剥がれ、新築したばかりの隣家の外壁や自動車を破損し、道路が何枚ものトタン板で塞がれてしまうことがありました。消防を呼び、応急処置をしてもらった後、土地家屋の所有者を調べて連絡をとり、早期に解体作業を進めてもらうことになりました。被害を受けた隣家や自動車の修理は、所有者である地主さんが負担してくれることになったようです。
 一段落・・・と思った矢先に、お客様から電話が入りました。私のお客様も、貸工場や倉庫、アパートなどを所有なさっている地主さんです。お話を伺うと「台風の強風で、アパートのトタン屋根が飛び、隣の自動車を傷つけてしまったようだ。修理代は、負担しなければならないのか?」とのことでした。私の自宅付近を全く同じようなことが、お客さまのところで起こっていました。

【個人賠償責任保険】
 個人の日常生活や住居の使用・管理等に起因して第三者の身体や財物に損害を与え、賠償責任を負担した場合の損害を包括的にカバーする賠償責任保険です。個人で火災保険、自動車保険、傷害保険などに加入なさっている方は、特約で個人賠償責任保険に加入することが出来ます。ご自宅やガレージの屋根が剥がれ、他人に怪我をさせてしまったり、他人の所有物を傷つけてしまった場合などは、個人賠償責任保険に加入していれば、カバー出来ます。
 私のお客様は、個人賠償責任保険は、自宅火災保険の特約で加入なさっていました。
今回の損害が、自宅の屋根などが及ぼしたものであれば、この保険が使えたのですが、アパートや貸家、貸工場、貸倉庫等々のように事業用の物件が起因となっている場合は、たとえ所有者が個人でも個人賠償責任保険は使えません。

では、どのような保険に加入していれば良かったのでしょう。
【施設賠償責任保険】です。
 施設賠償責任保険は、施設の安全性の維持管理の不備や、構造上の欠陥、施設の用法に伴う仕事の遂行が原因となり、他人に怪我をさせたり、他人の物を壊したりしたために、法律上の賠償責任を負担された場合に被る被害を補償する保険です。
 施設の屋根や壁が倒壊し、他人に怪我を負わせたり、近隣の建物や車両に損害を与えた場合や、飲食店を営んでいて、給仕中にお客様に熱いコーヒーをこぼして火傷を負わせてしまった場合などが対象になります。

 賠償責任保険には、上記の他、生産物賠償責任保険、請負業者賠償責任保険、サイバーリスク保険、個人情報漏えい保険など様々な保険があります。起こりうるかもしれないリスクを想定し、それに備えるために、是非、損害保険の見直しもなさってみてください。

川崎事務所 長谷川 三千代

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