経営者必見!ワークライフバランスの取り組み事例をチェック
経営者としてワークライフバランスを実現させよう!
「ワークライフバランス」とは「仕事と日常生活を両立させること」を指しますが、日本では仕事を重視する考え方が根強いこともあり、ワークライフバランスの実現は容易とはいえない状況です。
しかしながら、経営者としては働きやすい環境を作るためにも、ワークライフバランスの実現させたいことでしょう。今回は、ワークライフバランスの取り組み事例を紹介したうえで、注意点についても触れていきます。
育児休暇や介護休業 ハウス食品グループの事例
ワークライフバランスで育児休暇や介護休業の制度が充実しているのは、大手食品メーカーの「ハウス食品グループ」です。
育児休業制度の取得に関しては、法律上は子どもが1歳6か月までと定められていますが、同社では子どもが満2歳になるまで育児休業を取得できます。
また、育児における短時間勤務制度に関しては、法律上は子どもが小学校に入学するまでと定められていますが、同社では子どもが小学校3年生の3月末日まで短時間勤務が認められています。
同社では育児休業の制度を充実させたことにより、2015年から2017年にかけて、育児休業復職率は100%を達成しました。
そのほか、介護休業制度については、法律上は通算93日まで取得できますが、正社員に限り通算217日まで取得することができます。
参考:ハウス食品グループ ワークライフバランスへの取り組み
https://housefoods-group.com/
育児や介護を理由に離職するケースは多いですが、企業が率先してワークライフバランスに取り組むことで、離職率を低くすることが可能となります。
フレックス制度と在宅勤務 カルビーの事例
フレックスタイム制度に早くから取り組んでいるのは、スナック菓子メーカーの「カルビー」です。
同社がフレックスタイム制度を導入したのは1991年のことで、早い段階でワークライフバランスに取り組んでいる様子がうかがえます。
また、同社ではテレワークも積極的に導入しています。2014年度には「在宅勤務制度」をスタートさせ、週2回を上限として自宅での勤務が認められました。
その後、2017年度からは在宅勤務制度を「モバイルワーク制度」に変更しました。変更内容は、利用回数の上限がなくなったこと、そして勤務場所は自宅以外の場所でも認められるようになったことです。
同社のテレワーク制度が進展した背景は、コミュニケーション活性化を目的として本社・地域事業本部において固定席を廃止した「フリーアドレス化」、そして「営業職の直帰直行」であり、業務はオフィスで行うという固定観念を取り払ったことが大きな要因といえます。
参考:
カルビー CSR活動
https://www.calbee.co.jp/csr/social/diversity.php
カルビー株式会社 テレワーク・デイ結果報告
https://teleworkdays.jp/2017/pdf/report/04_carbee.pdf
カルビーの働き方改革の取り組み
http://kyusyu.mof.go.jp/content/000188546.pdf
ワークライフバランスを導入する場合の注意点とは?
ワークライフバランスを実現するうえで注意すべき点としては、既存の考え方にとらわれずに柔軟な考え方を持つこと、そして、社内において多様な価値観を認める雰囲気を作ることです。
ワークライフバランスを実現するにあたり、企業においては育児休暇や介護休業の制度を拡充させたり、正社員の労働時間を短縮したりする方法が考えられます。
なお、社員の中には、仕事を重視するのが当たり前であり、時短労働や休暇の増加で業務に支障が生じる、と考える人がいるかもしれません。
しかしながら、社会の流れは「働き方改革を実現すること」に重点が置かれていることから、それを踏まえれば、従来の働き方にこだわる必要性は薄いといえるのではないでしょうか。
経営者自身が多様な価値観を認めつつ、ワークライフバランスを実施する姿勢を前面に打ち出せば、社員もワークライフバランスの重要性を理解しやすく、行動に移しやすくなることでしょう。
働き方改革が推進される中、ワークライフバランスはこれからの時代においては重要な位置づけになると見込まれます。働きやすい現場を作ることが経営者には求められます。
(画像は写真ACより)