「○○市は住民税が高い」って本当? その①

 「○○市は住民税が高い」「△△区に引っ越したら住民税がすごく上がった」・・・。
こうしたお話を耳にすることがあります。しかしながら、いくつかの例外を除けば、所得にかかる住民税『率』は、全国で一律です。
 その①では住民税の概要について、その②では、「いくつかの例外となる市区町村」について解説いたします。

⑴ 所得税と住民税の違いについて
 所得税は国税(国に納める税金)で、住民税は地方税(都道府県及び市区町村に納める税金)ですが、どちらも所得(≒儲け)に対して課される税金です。
 所得税は累進課税制度が採用されています。詳しくは別記事で解説しますが、累進課税制度は一言で表すと「所得が大きい人ほど税率が上がる」という制度です。
 これに対して、住民税は所得が大きくなっても、『税率』は一定です(この記事では、総合課税所得にかかる住民税について解説します)。もちろん、税率が一定でも、所得が大きくなれば納税額は大きくなります。住民税の計算式を見てみましょう。

⑵ 住民税の計算式:所得割と均等割について
 住民税は①所得割と②均等割の2つに分けられます。所得割の計算式は以下の通りです。
① 所得割=(前年の所得―所得控除)×税率―税額控除
聞きなれない用語も多いと思いますので、順に見て行きましょう。
所得とは、収入から必要経費を差し引いたものです。個人事業主の場合は(売上―必要経費)で分かりやすいです。サラリーマン等の給与所得者の場合は、必要経費の代わりに、給与所得控除を差し引くことが出来ます。
所得控除とは、納税者の様々な状況に応じて、課税される金額を下げることが出来るものです。配偶者や親族の扶養状況、社会保険料などの支払状況、生命保険料や地震保険料などの支払状況などに応じて、それぞれ控除出来る金額があります。
 税率は、いくつかの例外となる自治体を除けば、10%で一定です。
税額控除は、住宅ローン減税やふるさと納税などの、直接、税額から差し引くことが出来るものです。

② 均等割=一律の金額(各自治体によって金額は異なります)
 一定以上の所得がある人に、一律の金額が課されるというものです。金額は各自治体に決定権があるため、それぞれの自治体によって金額は異なります。
 平成30年現在、最安値の自治体では5,000円です。最高値の自治体は、横浜市(横浜市2,400円+神奈川県3,800円)や仙台市(仙台市1,500円+宮城県4,700円。仙台市を例に挙げましたが、宮城県内は一律です。)などの6,200円です。なお、東京都内の各市区町村では5,000円となっています。
 均等割については、最高値と最安値の差額は年間で1,200円となるので、「〇〇市は住民税が高い」と感じるかどうか、人に寄って意見が分かれそうです。

東京練馬事務所 戸崎 悟史

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