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事業資金 調達方法の今後

 かつて、企業の資金調達方法といえば、一に金融機関からの融資、次いで社債や株式の新規発行といったところでした。現在も、これらは強力な調達手段であり、特に銀行をはじめとする金融機関からの融資については、今後も主要な資金調達手段であると考えられています。

 これらの手段に加え、昨今ではクラウドファンディングという手法が注目を集めています。
 クラウドファンディングとは、そもそも「群衆」と「資金調達」を組み合わせた造語であり、不特定多数の人々が対象に対して資金提供を行うことを意味します。多くの場合、既存の証券会社等の枠組みを経由せず、インターネットを通じて募集が行われるのが通例となっております。
 
 新規企画や新製品の実現に投資するといった形態が最も一般的なイメージと思われます。これらは、製品実現に投資する購入型クラウドファンディング(物による利益配分)、企画の趣旨に賛同しての寄付型クラウドファンディング(利益配分に主眼を置かない)が多くなります。しかし、実際にはクラウドファンディングはそれにとどまるものではありません。
 たとえば、小口で資金を募集し必要な事業者に金銭を貸し付けるソーシャルレンディングという形態(貸付利息から配分を受けます)や、不動産の運用又は売買について資金を集める不動産クラウドファンディング(運用益又は売却益から利益配分を受けます)などがあります。また、非上場のベンチャー企業の株式の資金調達としての株式投資型クラウドファンディングも存在します。
 特に最後の株式投資型のクラウドファンディングについては、市場の活性化を期待して、金融庁も施策を行っております。平成26年5月に成立した「金融商品取引法等の一部を改正する法律」では株式投資型クラウドファンディングの利用促進を企図して、募集業者の参入要件を緩和すると共に、詐欺的な行為が横行しないよう情報開示についても定めるなどの対策も行っています。
 このように、行政からも注目されているクラウドファンディング手法ですが、一方で、まだまだ成熟した市場とは言い難く、規制を遵守しない業者がいることも事実です。たとえば、金融庁のWebサイトでは、「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」というページを作って注意喚起を行っておりますし、実際に、界大手の会社が行政処分を受けた例もあります。
こうしたリスクはありながらも、投資者が(1円からという業者もあるほど)小口から投資が行えるという手軽さから、クラウドファンディングによる資金調達は今後も増えていくものと考えられます。
 
 事業資金の調達手段としての選択肢が増えることは、事業者にとってもメリットです。今後、市場が成熟し、安全かつ手軽に資金調達が行えるようになれば、その恩恵は中小企業等にも及ぶものと思われます。適切な規制と緩和が行われ、資金調達手段の選択肢として選びやすい未来が来ることを期待したいところです。
 なお、クラウドファンディングに投資する側(群衆側)について、所得が生じた場合には雑所得として処理しますが、このあたりについても、暗号資産の取り扱いのような税務上の指針が、今後整備されていくものと考えられます。

参考:
金融庁HP「金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成26年法律第44号)に係る説明資料」 https://www.fsa.go.jp/common/diet/186/index.html
金融庁HP「ソーシャルレンディングへの投資にあたってご注意ください」
https://www.fsa.go.jp/ordinary/social-lending/index.html

渋谷事務所 
津田純一

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