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こんなものも商標として登録されている(動き商標編)

以前は、時間の経過にともない標章が変化するような動きのある商標というものは登録が認められず、商標は静的なものに限られていました。しかし、商標法改正により動きがある商標についても登録が認められるようになりました。皆様にとっては「これが登録商標?」と思われるものもあるかもしれませんのでいくつかご紹介したいと思います。なお、いずれも商標登録されていますので使用の仕方によっては商標権侵害となりかねません。
 画像および商標の詳細な説明は、すべてJ-PlatPatからの引用です。

1.株式会社円谷プロダクション様の登録商標(商標登録第5825499号)

商標の詳細な説明には、『時間の経過に伴う標章の変化の状態を示す7枚の図からなる動き商標である。なお、各図の右下隅に表示されている番号は、図の順番を示したものであり、商標を構成する要素ではない。水色をベースに、黄土色、赤、黄色、緑がかった黒、黒、白からなるマーブル模様が彩られており、マーブル模様は、下方向から伸びて、左右に分かれて円を描くように見える。この左右の弧が、時間の経過とともに回転し、最後は「ウルトラQ」の文字に変化する。この動き商標は、全体として14秒間である。』と記載されています。幼少のころに「ウルトラQ」というテレビドラマを見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、そのテレビドラマにおいて流されていました。

図1

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2.株式会社はせがわ様の登録商標(商標登録第5857149号)

商標の詳細な説明には、「図1の少女が、図2から図5にかけて顔の両脇に広げた両手を徐々に近づけ、図6から図8にかけて両手を合わせて目を閉じ、頭を垂れて合掌のポーズを取る様子を表している。この動き商標は、全体として7秒間である。」と記載されています。CMでよく流れていましたので目にした方も多いかもしれません。

図1

図2

図3

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図5

図6

図7

図8

3.日本弁理士会の登録商標(第5904184号)

特許、商標などの専門家である弁理士が加入している日本弁理士会においても動き商標を登録しています。商標の詳細な説明には、「本商標は、目を閉じ腕を組んで下を向いているキャラクターが、左目を大きく見開き(右上には電球が表示される)、続いて、両目を逆U字状にして体を上下に動かしている(右上には音符が表示される)(図1乃至図6)。その後、キャラクターから帽子が徐々に離れていき、帽子とキャラクターの間に「日本弁理士会」の文字が表示される様子を表している(図7乃至図9)。この動き商標は、全体として約4秒間である。」と記載されています。ちなみにこのキャラクタは「はっぴょん」といいます。

図1

図2

図3

図4

図5

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図8

図9

これらの例以外にも、小林製薬株式会社様、久光製薬株式会社様、エステー株式会社様など比較的多くの企業様からも動きのある商標が出願され登録されています。このように、商標は静的な文字、記号、図形などだけではなく、動きのあるものについても登録されていますので、特徴的な動きのあるものについて登録することを考えてみてもよろしいかもしれません。
(本コラムはあくまで一般的な情報提供を目的としており、専門的なアドバイスを目的とするものではありません。訂正、追加などが行われることもあります。)

【コラムを執筆いただいた方】

弁理士法人東京UIT国際特許

弁理士法人東京UIT国際特許(http://www.uit-patent.or.jp/
3名の異なる専門分野の弁理士によって設立された特許業務法人。
とりわけAIやITといった分野に強く、30年のキャリアの中で多数の案件に携わっている。
その他、意匠や商標にも対応しており、ビジネスにおける様々な知的財産権の問題や事前対策を相談できる事務所。

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