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労務系

国語に関する世論調査

文化庁では「国語に関する世論調査」を行っています。これは、平成7年度から毎年実施しているもので、全国16歳以上の男女を対象とし、日本人の国語に関する意識や理解の現状について調査し、国語施策の立案に資するとともに、国民の国語に関する興味・関心を喚起する目的で行われています。
 この調査の中で「新しい表現や慣用句等の意味」の調査があります。
 その中から、いくつか問題を出します。
 本来の意味はどちらだと思いますか。

1. さわり  例文:話のさわりだけ聞かせる。
(ア) 話などの最初の部分のこと
(イ) 話などの要点のこと

答 (イ)

2. 檄を飛ばす
(ア) 自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること
(イ) 元気のない者に刺激を与えて活気付けること

答 (ア)

3. やおら  例文:彼はやおら立ち上がった。
(ア) 急に、いきなり
(イ) ゆっくりと

答 (イ)

4. 知恵熱
(ア) 乳幼児期に突然起こることのある発熱
(イ) 深く考えたり頭を使ったりした後の発熱

答 (ア)

5. なし崩し  例文:借金をなし崩しにする。
(ア) 少しずつ返していくこと
(イ) なかったことにすること

答 (ア)

《年齢別の比較》(問1、4、5)

本来の意味を正しく答えられましたか。
私は、本来の意味ではない使い方をしていた慣用句がいくつかありました。
当たり前に使っている言葉が、本来の意味は自分の認識と違っているとういことは、よくあることなのかもしれません。
例えば「知恵熱」は50代を境に認識が逆転しています。
「なし崩し」は本来の意味の「少しずつ返していくこと」と理解している人は、全世代で2割程度となっており多数の人が「なかったことにすること」と理解をしています。
「さわり」についても、本来の意味の「話などの要点のこと」と理解している人は、どの年代においても5割に満たない結果となっています。

他にも、最近私がよく耳にする「ほぼほぼ」についても興味深い結果が出ています。

年齢別に見ると、60代では4割強の人が「聞いたことがない」と答えています。50代では、「聞いたことはあるが使うことはない」と答えている人が5割強います。
「ほぼほぼ」とは、「ほぼ」を重ねて強調した言い方として使われています。「ほぼ」よりも「ほぼほぼ」の方が完全に近い状態という意味として使われるようです。
会話をする時には、年齢やシーンによって表現を使い分ける必要があるかもしれません。

「国語に関する世論調査」には、「表記の決まり」や「メールの書き方」などの調査結果がでています。興味のある方はご覧になってください。