会計
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累進課税制度とは
- 累進課税制度という言葉をご存知でしょうか?耳にしたことがある人が多いと思われますが、累進課税制度の概要を、解説させて頂きます。
累進課税制度とは、「課税標準の増加に伴い、税率が上がる」という制度です。
課税標準とは、課税される元となる金額のことです。
課税される金額が大きくなる程、課される税率も上がるというのが累進課税制度です。
この累進課税制度には大きく2種類の方式があります。
①単純累進課税 課税標準が一定額を超えた場合に、全体に対して高い税率を適用
②超過累進課税 課税標準が一定額を超えた超過金額に対してのみ、高い税率を適用
単純累進課税と呼ばれる①の方式を適用した場合、税率の境目ぎりぎりの人にとっては、課税標準の増加額以上に納税額が増加する場合があるなどの不合理が生じるため、現在用いられているのは、②の超過累進課税方式です。
さて、累進課税制度を適用している代表的な税金は、所得税、贈与税、相続税です。これらの税金に累進課税制度を用いるメリットとしては、富の再分配という視点が挙げられます。近年、「格差社会」という言葉がマスコミをにぎわす場面も多くなりましたが、累進課税制度を用いることで、高所得者になればなる程所得税を多く納め、また、お金持ちになればなる程相続税を多く納める、ということになります。この結果、お金持ちが世代を超えてずっとお金持ちでいることは難しくなり、富(財産)の固定化が防げるという役割を果たすことになります。
デメリットとして挙げられるのは、例えば給与所得者について、一定以上働くことに対しての意欲を低下させることに繋がる、という点です。具体的には、配偶者に扶養されている人が、配偶者控除を受けるために就労時間を調整する、などが挙げられます。
所得税の平成30年現在における税率は、5%・10%・20%・23%・33%・40%・45%と、7段階に分かれています。なお、平成49(2037)年までは復興特別所得税が、所得税を課税標準として2.1%かかります。従いまして、所得税と復興特別所得税を合わせた実際の税率としては、約5.105%~約45.945%ということになります。これに住民税の所得割10%を合わせて考えると、4,000万円を超える所得に対しては、実に55.945%が課税されるということになります。