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正しい日本語を楽しく学んでみませんか?

先生はおられますか?

これは日本語として正しくないということにお気づきでしょうか?
「おる」は「居る」の謙譲語なので、「られる」をつけて尊敬の形にしようとしてもダメなのです。正解は「先生はいらっしゃいますか?」ですね。

日本に生まれた日本人にとって物心ついた時から操っている日本語。しかしながら敬語に至っては、自分が正しく使えているのか、しばしば不安になったりしますよね。そんなときに日本語の解説書として使えるのが蛇蔵&海野凪子著のコミック「日本人の知らない日本語」です。日本国内にある日本語学校で外国人留学生に日本語を教える凪子先生と生徒たちのクスリと笑える日常から正しい日本語・間違った日本語を学べます。

冒頭にご紹介した謙譲語と尊敬語の混同の指摘のほか、日本語の「乱れ」と言われる「ら抜き言葉」の生まれた理由もしっかり解説されています。何気なく話しているときに「あれ?『れる』?『られる』?」と思ってしまうことはありませんか?
「ら抜き言葉」とは、正しくは「られる」とすべきところを「れる」と言ってしまうことです。「ら抜き言葉」が間違いとされるのは上一段活用、下一段活用、カ行変格活用の動詞です。これらの動詞は可能形と受身・尊敬形が同じであるのが正しい日本語とされています。

○「明日1時に川越に来られる?」(=可能形)、「先生が来られる」(=尊敬形)
×「明日1時に川越に来れる?

これに対して五段活用の動詞では可能形は「れる」、受身・尊敬形は「られる」と明確に区別されます。
ラ行五段活用の動詞「切る」の可能形は「切れる」、受身・尊敬形は「切られる」となります。「見る」(=上一段活用)、「出る」(=下一段活用)、「来る」(=カ行変格活用)といった動詞も可能形を「れる」、受身・尊敬形を「られる」と区別したいという欲求から可能形は「見れる」、「出れる」、「来れる」、受身・尊敬形は「見られる」、「出られる」、「来られる」という言葉が生まれたのです。自然な流れであることから、偉い学者の先生の中にも「必然的」と認める動きもあるそうです。

もちろん、こんな固い内容ばかりが描かれているコミックではありません。任侠映画大好きなフランス人のマダムやルパン三世大好きなアメリカ人が登場し、留学生はみんな日本に忍者がいると思っているなど、日本好きな外国人による日本のイメージを垣間見ることができます。また、留学生が自国と日本を比べて「自分の国は紛争で建物がボロボロなのです」とか「日本のニュースを見ていて犯罪が多いことに驚いたけれども、よく考えたら自国には報道の自由がなかったのかもしれない」と話していて、日本の良さについて改めて考えさせられます。

日本語と日本について再認識させてくれるお勧めのコミックです。

出典:メディアファクトリー「日本人の知らない日本語」「日本人の知らない日本語2」「日本人の知らない日本語3」海野 凪子、蛇蔵著

川越事務所 石川幸恵

 

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