
捨てるもの、捨てないもの
この度の東日本大震災にて被災された皆様に心よりお見舞いを申しあげます。1日も早い復興を心よりお祈り申しあげます。
前回の続きです。
どのようにムダを捨てていくのか?
酒巻久氏は、著書『ドラッカーの教えどおり、経営してきました』で、
1.何が必要で何が不要かをセンスのある経営者が判断する
2.一番要らないものから捨てていく
ことが重要だと言っています。
実際、酒巻久氏はある工場の管理部門の仕事を2週間止めたそうです。
その結果、何も問題が起きなかった、何もクレームが起きなかったので、
その部門は不要と判断し、解散したそうです。
このように、ムダを1つ1つ検証して、「捨てる」ことで利益が積み重なっていきます。
無論「捨てる」ことは、リストラという問題が絡むケースもありますので、慎重な対応が必要です。
その一方で気を付けなければいけないのは、捨ててはいけないものまで捨てないことです。
必要なものまで捨ててしまうことは、経営に打撃を与えることにもなりかねません。
例えば、お客様にお礼の手紙を書くことを実施している場合、お客様からお礼の手紙に対して反応や評価が無いと、とかく不要と考えてしまいかねません。
しかし、お客様の中には、声には出さないが、その手紙から会社に対して信頼を頂いたり、 知らないところで、口コミで話をして頂いているかもしれません。
このあたりは、会社としてお客様にどのようなサービスを行うかという、ベースの考えに基づいて判断する必要があります。
また、その手紙が形式的なものか、心がこもったものかなども併せて見直した方が良いと思います。
是非1度、捨てるもの捨てないものの点検をおすすめします。
出典:『ドラッカーの教えどおり、経営してきました』酒巻久著 朝日新聞出版