
壬辰の年
今年は「辰年」。
干支でいうと、正確には「壬辰(じんしん、みずのえたつ)」になります。
干は10段階(十干)、支は12段階(十二支)で、これを組み合わせて、60通りになるそうです。「60年で一回り」、いわゆる「還暦」ということになります。
さて、「壬辰」の意味ですが、十干の「壬」は、「内存するものが増大する」ですとか、「色々の問題が発生し、解決にあたらなければならない」という意味があるそうです。
つまり、「前年の諸問題がいっそう増大して、そのために任務・仕事がますます惹起してくる」ということになります。
従いまして、その問題をしっかりとこなす人物が、どんどん出てこなければいけないのですが、残念ながら私心・私欲・野心が強い人物が多く出てくるそうです。また、陰陽五行説によると、「水」を表すそうで、良い事象も悪い事象も「水」が関連すると考えられます。
次に十二支の「辰」は、「今まで内に蔵されてあった陽気が、あるいは紆余曲折していた陽気・活動が、外に出て活発に動く」ことを意味するそうです。また、「震」や「賑」の字の元にもなっています。
これらのことから、2012年「壬辰」の年は、2011年の東日本大震災、タイ大洪水、政治不信・低迷、不景気、欧州危機、アラブの春を代表とする民主化運動、北朝鮮の指導者交代など、国内のみならず世界各国で噴出した様々な問題が、更に活発化する可能性があり、その問題にしっかり対応できる人物がどれだけ出てくるかがポイントになりそうです。
また、壬の「水」と辰の「震」という文字から想像できるのが、地震と洪水・津波であり、とても年初から考えたくない内容です。
しかし悪い意味だけでなく、「水」と「賑」から想像すると、水産業の復活、水に関わる新たなビジネス、原子力発電に代わる水力発電など、良い意味も考えることができます。
今年も様々な問題に直面すると考えられますが、世界が良い方向に向かうよう、皆さんと努力していきたいものです。
出典:「干支の活学」 安岡正篤著