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信託制度について

今回は、近年改めて注目を集めている「信託」について、その基本的な部分について触れてみたいと思う。

信託とは?
一般社団法人信託協会のホームページには、「信託とは、委託者が信託行為(例えば、信託契約、遺言)によってその信頼できる人(受託者)に対して、金銭や土地などの財産を移転し、受託者は委託者が設定した信託目的に従って受益者のためにその財産(信託財産)の管理・処分などをする制度」とある。
一般的には、委託者、受託者、受益者の三者間で、ルールに則って行われる行為が「信託」となる。

わかりやすく例を用いてご説明しよう。
Aさんは、障害を持った息子さんのために、Aさん所有の賃貸用マンションを不動産管理会社に信託し、Aさんが亡くなった後も、賃貸用マンションの家賃で息子さんが生活していけるようにした。上記の例だと、下記のような関係になる。
Aさん        : 委託者
息子         : 受益者
不動産管理会社 : 受託者

信託の起源
信託」の起源は、中世のイギリスにおいて利用されていたユースが始まりだとする説が一般的だ。
イギリス人は、死後自分の土地を教会に寄進する慣習があったが、封建制度が色濃かったこの時代、治外法権であった教会に土地が寄進されると地代や税金が取れなくなる領主は、寄進を禁止する法律を制定した。
そこで、人々は土地を直接教会に寄進しないで、信頼できる人に譲渡し、譲渡を受けた人がその土地からあがる収益を教会に寄進するという方法をとった。
このように、ある人が自分または他の人の利益のために、信頼できる人にその財産を譲渡する制度をユースといい、これが「信託」の起源と考えられている。

信託のメリット
1.自分よりも能力のある他人(=専門家)を利用して、適切に財産を管理することが可能。
2.長期にわたり(例えばAさんが亡くなった後も継続的に)利益の供与が可能。
3.もし債権者が付いた場合でも、信託財産は特殊な所有として認められている。

信託のデメリット
1.所有権が委託者から受託者に移る。
2.信託報酬や手数料がかかる。

信託の種類
1.商事信託(信託報酬を得るために受託者が営業として行う信託)
2.民事信託(受託者が信託報酬を得ないで行う信託)

信託商品

※上記の中には民事信託も含まれるが、基本的には商事信託となる。

入門的な説明になってしまったが、以上が「信託」の基本的な仕組みとなる。
上記のAさんのように、息子さんの将来を苦慮する場合は、商事信託、民事信託を問わず、「信託」の仕組みを活用するのも、有効な方法の一つだ。
信託」は金融制度のインフラとして活用されることが良く知られているが、社会の公器として、高齢者・障害者のための財産管理制度(福祉型信託)としても普及することが期待されており、今後高齢化社会が本格的になるうえで、注目を浴びてくるであろう。
弊社担当に相続の相談をして頂く際に、「信託」の活用方法についてもお気軽にご相談いただきたい。

代表社員 税理士 内川清雄

 

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