
マーケティング思考『この人ならと思って頂くことが大事』
今回は商売の基本の1つである「この人なら」と思って頂くことの大切さについて、事例をもとに考えてみたいと思います。
まず「招客招福の法則」(小阪裕司 著)より、事例をご紹介したいと思います。
ある町の小さな酒屋さんが、得意客から結婚式の引き出物としてワインと日本酒を頼まれました。
店主は、ただワインと日本酒を売るのではなく、ある趣向を凝らしました。
まずは新郎新婦向けのオリジナルラベルを作り、それをワインと日本酒に張りました。
次に、お酒の説明書を作りました。その説明書に一工夫入れたのです。
お酒の原料や生産地の説明はほとんど書かず、その代わりに新郎や新婦の人柄を紹介し、その人柄のように○○の特徴があるワインです、と書きました。これらの趣向は、新郎新婦のみならず、披露宴に出席した方にとても喜ばれました。
これだけでも趣向を凝らしたいい話ですが、この話には続きがあります。
後日この酒屋の店主は、別のお客様に結婚式の引き出物をまた頼まれました。
その理由がこうです。
「式場が斡旋してくれる業者より、△△さん(店主)にお願いしたほうが何かやってくれそうなので」
みなさんいかがでしょう?
この事例によって何がわかりましたか?
お客様に期待して頂けるということは、お客様に信頼して頂いているということです。
今まで、相手の期待を超える何かをしてきた積み重ねが、今回のオファーにあり、そしてしっかりとまた期待に応えたのです。この店主は、新郎新婦を更にファンにしたことでしょう。
このようにファン客を増やすことは、口コミでお客様を増やしていくことに繋がっていくのです。
これが商売の基本であり、ベースであり、王道であり、そして「儲ける」ということになるのです。
出典:「招客招福の法則」小阪裕司著