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「考える力」の鍛え方、1+1の答えは?

「1+1は?」と聞かれたら、大抵の人は「そんなの2に決まっているだろう」と答えると思います。ところが、ある低学年の小学生に同じ質問をしたところ、その子は「1+1は、1+1だよ」と言ったそうです。
なぜそう思うのかと聞くと「バナナ1本とりんご1個を足しても、バナナとリンゴのままだから」と答えたそうです。果物店のお子さんだったそうですが、言われてみれば確かにそうです、その通りです!
バナナとリンゴを足しても、バナナはバナナのまま、リンゴはリンゴのままです。つまり、「1+1の答えは、1+1」なのです。とても面白い話しだと思いませんか。

この話しは、東京大学教授で理論物理学者の上田正仁さんが書いた『東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』という本のなかに書かれている一節です。その一部を紹介させていただきます。

1+1が2になるのは、ある限定された条件の時だけです。例えば、リンゴとリンゴのように同じ種類のものを並べた場合だけ、もしくは果物というカテゴリーで数えるという条件をつけた場合のみ、2と言えるのです。異なった種類のものを並べても、どちらかが2倍になるわけではありません。ですから、「バナナ1本とリンゴ1個」ならば1+1は1+1が正解なのです。
しかし小学校では、1+1がどんな場合に2になるのかということが説明されることはなく、単に1+1は2だと暗記させられます。つまり、ほとんどの小学生(あるいは教師も含めて)は1+1は2だと「知っている」のですが、なぜそうなのか、どんな場合にそうでなくなるのかを「わかっている」わけではないのです。この違いを認識することこそが、状況に応じて物事を判断するということなのです。しかし、それを2だと「知ってしまう」と、それ以降は1+1を深く考えることはしなくなります。これは子どもだけでなく、大人にも言えることでしょう。ここに、思考の落とし穴があります。

この話の他にも、発明王として知られるトーマス・エジソンが小学生だった頃のエピソードが紹介されています。
エジソンは、「1+1は1」と主張したそうです。1つの粘土ともう1つの粘土をくっつけてしまえば粘土は1つになってしまい、答えは1だと考えたようです。どんな事柄にも「なぜ?」と問いかけることで教師に嫌われていたエジソンは、小学校になじめず中退してしまったようです。

上田教授は、この本のなかで、『「考える力」とは、単に与えられた問題を解く能力ではありません。他の人が疑問に感じないところ、常識と考えているところに問題点を見い出し、根本にまでさかのぼって問題の本質を突き止める能力です。諦めずに考え続けることができる能力と言ってもいいかもしれません。』とおっしゃっています。さらに、『「諦めない人間力」こそが学問やビジネスの世界だけではなく、すべての分野に通じる想像力の源泉』ともおっしゃっています。

今の時代は、とかくスピードが求められますが、スピードだけでは世界的な大発見や大発明は生まれなかったはずです。本当に必要なのは、上田教授がおっしゃっている「諦めない人間力」なのではないでしょうか。

出典:株式会社ブックマン社「東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方」上田 正仁著

千葉流山事務所 石山惠子

 

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