
法人インターネットバンキングの不正送金対策
インターネットバンキングの利用は拡大していますが、インターネットバンキングを狙った不正送金の被害も、個人・法人共に年々増加しています。
<インターネットバンキング不正送金の法人被害は、個人への原則補償と違う>
インターネットバンキングで不正に送金された場合、個人については原則補償されますが、法人については銀行業界のルールは定まっていまっておらず、各銀行が個別に対応しています。法人の利用は個人に比べよりリスクが高い状況です。
関連ニュース *1
全国銀行協会の平野信行会長は、2014年6月19日の記者会見で個人的な見解として「顧客がきちんと対策をとる前提で、何らかの補償を行うと
いうのも一つの考え方だ」と法人への補償の可能性についての考えを示しました。全銀協は来月中に被害を補償するケース等を会員各行に例示する
見通しだ。
<インターネットバンキングにおける不正送金の手口>
代表的な手口は次のとおりです。
・フィッシング詐欺
金融機関を騙った電子メールやホームページによりID・パスワード等の情報を盗み取る。
・ウィルス
スパイウエア等のウィルスをパソコンに感染させ、情報を盗み取る。
上記のような脅威に対応するには、インターネットバンキングの利用に際しては、ソフトウエアの更新やウィルス対策等の一般的なパソコンについてのセキュリティ対策だけではなく、より高度な対策が求められます。
<インターネットバンキングの不正送金対策>
一般に以下のような対策が推奨されています。
1.振込データ作成者と承認者を分け、別々のパソコンを利用する。
2.パスワードは他のサービスとの共通の設定や推測しやすい文字列等を避け、定期的に変更する。
3.振込等の限度額は、必要な範囲内でできるだけ低く設定する。
4.振込受付等の通知メールを確認できる体勢を整え、また不審なログイン履歴がないか定期的に確認する。
5.振込先の事前登録等の取引銀行が提供するセキュリティ対策を導入・利用する。
<インターネットバンキング向けセキュリティ対策ソフト>
前記5については、インターネットバンキング向けのフィッシング詐欺・ウィルス対策等の機能を備えたセキュリティ対策ソフトが多くの銀行から無償で提供され、一般的なウィルス対策ソフトとの併用が推奨されています。
代表的なソフトウエアは、以下のとおりです。
・Rapport(ラポート)Trusteer株式会社
http://www.trusteer.com/ja/products/trusteer-rapport-for-online-banking-ja
・PhishWall(フィッシュウォール)株式会社セキュアブレイン
http://www.securebrain.co.jp/products/phishwall/install_ie.html
・SaAT Netizen(サート・ネチズン)ネットムーブ株式会社
http://web.saat.jp/netizen6/cedyna/
インターネットバンキング向けセキュリティ対策ソフトは、多くの種類のウィルス対策ソフトとパソコン上で同時利用が可能です。取引銀行のホームページで確認され、社内関係先とその利用を検討されてみてはいかがでしょうか。
コンパッソ税理士法人では、インターネットバンキングのデータ読み込みが可能な財務会計システム(自計化システム) を提供しております。また同システム利用のお客様には無償で「TKCウィルス対策プログラム」も提供しております。詳しくはコンパッソ税理士法人までお問い合わせください。
参考
*1 日本経済新聞 2014/6/19 21:16
不正送金で法人の被害補償検討 全銀協会長、安全対策前提に
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGC1901E_Z10C14A6PP8000/
*1 全国銀行協会 会長記者会見 平成26年6月19日
http://www.zenginkyo.or.jp/news/conference/2014/06/19235500.html
一般社団法人 全国銀行協会
法人向けインターネット・バンキングにおける不正送金にご注意!
http://www.zenginkyo.or.jp/topic/sagijiken_ib_co/
フィッシング対策協議会(https://www.antiphishing.jp/)
インターネットバンキングの不正送金にあわないためのガイドライン
https://www.antiphishing.jp/report/guideline/internetbanking_guideline.html