退職金に課税される税金

<退職金の種類>

退職金は、①定年退職、②中途退職、③死亡退職等の場合に支給されます。
このうち退職所得として課税されるのは、定年退職と中途退職です。
死亡退職の場合の退職金は、退職所得としては課税されません。ただし、相続財産とみなされ、相続税が課税される可能性はあります。
通常退職所得の金額は、退職金の金額から退職所得控除額を控除した残額を2分の1にした金額(1,000円未満の端数は切捨て)となります。従って、退職所得控除額以下であれば、所得税・住民税は課税されません。超えた場合でも、勤務先に所定の手続きを行い、退職金から所得税及び復興特別所得税や住民税が源泉徴収又は特別徴収されれば課税関係は完結となります。

<所得税を還付出来る場合>

ほとんどの場合、確定申告は不要となりますが、所得税を還付できるケースがあります。
例えば、定年退職又は中途退職の場合、年の中途での退職でその後働かず、その年の給与所得が退職会社のみのケースで、医療費もあり、所得控除額が多額となり控除できない金額があった場合、その控除できなかった金額を退職所得から控除できます。控除できると、所得税額は過大に納付したこととなり還付となります。
仮に確定申告不要と言われた場合でも状況によっては確定申告をすることで還付させることができることを頭に入れておく必要があります。
ただし、住民税については、退職所得からの特別徴収によって課税が完結することとなっているため、残念ながら還付はありません。住民税は、所得税の退職所得の取扱いとは異なり、所得控除などの適用はなく、会社が退職金から住民税を特別徴収して課税関係が終了するためです。
ちなみに、個人の住民税は、その年度の初日の属する年の1月1日(令和1年分の所得の場合は、令和2年1月1日)を基準に課税の有無を確定します。仮に前年の中途で死亡した方の前年の所得に対する翌年度の個人住民税は課税されません。

<死亡前に受けた退職金の住民税>

では、年の中途で死亡した者が、死亡前に支払いを受けた退職金の住民税は、翌年1月1日に存在しないのですから課税されないのでしょうか。特別徴収された住民税は還付されるのでしょうか。
残念ながらこの場合も還付はされません。地方税法第328条(分離課税に係る所得割の課税標準)により退職金に係る住民税は、他の所得と区分し、退職金の支払を受けるべき日の属する年の1月1日現在におけるその者の住所所在の市町村において課されるためです。

 

 

練馬事務所 南宏一


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