「総額表示」とは?

消費者向けの販売やサービスの提供を行う課税事業者が「値札」や「広告」などにおいて、消費税相当額(地方消費税相当額含む)を含んだ支払総額、すなわち税込価格で表示することです。
従来税抜価格での表示が主流でしたが、消費者が支払う額が精算するまでわからないこと、また税抜表示と税込表示の店が混在していると価格を比較しづらいことから、平成15年の税制改正により、平成16年4月1日から総額表示が義務付けられました。

<総額表示の対象例>
・値札、商品陳列棚、店内表示、商品カタログ等
・商品のパッケージなどへ印字、あるいは貼付した価格表示
・新聞折込広告、ダイレクトメールなどにより配布するチラシ
・新聞、雑誌、テレビ、ホームページ、電子メール等の媒体を利用した広告
・ポスター

<総額表示の具体例>
1 11,000円
2 11,000円(税込)
3 11,000円(税抜価格10,000円)
4 11,000円(うち消費税額等1,000円)
5 11,000円(税抜価格10,000円、消費税額等1,000円)
6 10,000円 (税込11,000円)
支払総額である「11,000円」が表示されていれば、「税抜価格」等が表示されていても構いません。
「10,000円(税抜)」や「税抜10,000円+税1,000円」といった表示は認められません。
ただし平成25年10月1日から令和3年3月31日までの間、税抜価格での表示も認められています。総額表示義務については、税抜価格であることが明瞭にわかるような表示をした場合には税込価格の表示を要しないこととする特例が設けられています。

総額表示義務は事業者間の取引には適用されず、税抜表示が原則です。また、課税事業者が対象であるため、免税事業者には適用されませんが、税込価格を表示することが適正な表示です。
<総額表示の対象とならないものの例>
・見積書、契約書、請求書等(広告やホームページの見積例は総額表示の対象)
・業務用商品カタログ
・事業者向け商品の店頭や広告における価格表示
・希望小売価格

総額表示に伴い税込価格の設定を行う際事業者の判断により、1円未満の端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理しても差し支えありません。
しかし、消費税を商品ごとでなく、税抜である本体価格の合計額に税率をかけて算出する方式では、「税込100円(税抜93円)」(消費税8%)の商品を3個買うと、支払額が301円となります。⇒93円(税抜)×3個×1.08=301.32
この差は単品の税込価格の小数点以下を切り捨てるために発生します。
表示の方法によっては誤解を生むと考えられます。軽減税率やポイント還元が始まり、税込価格を小数点第2位まで表記するなど、消費者がわかりやすい表示の工夫をすることが今後ますます大切になるのではないでしょうか。

参照
国税庁「No.6902 「総額表示」の義務付け[平成31年4月1日現在法令等]」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6902.htm
(2019年10月14日参照)

財務省「消費税における「総額表示方式」の概要とその特例」
https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/sougakuhyoji_gaiyou.htm
(2019年10月14日参照)

日本経済新聞 2019年9月18日
「表示額と支払額、計算方法でズレ 周知や表記課題に イオンは小数点以下も表示」

川崎事務所  戸谷花江


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