消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について②

1同一の税込価格を表示する方法
事業者がどのような価格設定を行うかは任意であるため、軽減税率が適用されるテイクアウト等の税抜価格を標準税率が適用される店内飲食より高く設定、又は店内飲食の税抜価格を低く設定することで同一の税込価格を設定することが可能です。このような方法は一部のファストフード店等で採用が予定されています。

具体例
テイクアウト等の税抜価格:102 円(8%)→ 110 円(税込価格)
店内飲食の税抜価格    :100 円(10%)→ 110 円(税込価格)

注)両方の税込価格が仮に同一であったとしても、適用税率が異なることに変わりはないので、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保する観点から、以下の点に留意する必要があります。
(1)「全て軽減税率が適用されます」・「増税分を値引します。」といった表示を行うことは、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法や景品表示法により禁止されています。
(2) テイクアウト等の価格を店内飲食に合わせて値上げする場合には、消費者から問われた際に、下記に記載した例を参考にしつつ、合理的な理由を説明する準備が必要となります。
「出前」    ・・・配送分のコストを上乗せしている
「テイクアウト」・・・容器代・包材代等のコストを上乗せしている
従業員教育の簡素化
複数の価格を表示することによるお客様とのトラブル防止

2税抜価格を表示する方法(2021 年3月31 日まで)
消費税転嫁対策特別措置法第10 条第1項においては、現に表示する価格が税込価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り、同法が失効する2021 年3月31 日までの間、消費税法第63 条に規定する総額表示義務の特例として、税込価格を表示することを要しないこととされています。その際、以下の対応を行うことが望ましいです。

(1) 税抜価格とともに消費税額を表示する場合
テイクアウト等と店内飲食との間で、適用税率が異なるため、両方の消費税額を表示する(又は、一定の注意喚起とともに、どちらか片方のみの消費税額を表示する。)。
(両方の消費税額を表示)
メニュー
本体価格 (消費税額:店内飲食/テイクアウト)
ハンバーガー   300 円 (30 円/24 円)
オレンジジュース 150 円 (15 円/12 円)
〇〇セット    500 円 (50 円/40 円)

(2) 税抜価格のみを表示する場合
一般消費者の適正な商品又は役務の選択を確保する観点から、店舗内の目立つ場所に、テイクアウト等と店内飲食との間で適用税率が異なる旨について掲示するなどの方法により、一般消費者に対して注意喚起を行います。
(税抜価格のみを表示)
メニュー
ハンバーガー 300 円(税抜)
オレンジジュース 150 円(税抜)
〇〇セット 500 円(税抜)
※店内飲食とテイクアウトでは、税率が異なりますので消費税額が異なります。

(3) イートインスペースのある小売店等の価格表示
(商品棚の価格表示) 総菜パン 150 円
(店内掲示等)当店の価格は全て税抜表示となっております。
持ち帰りと店内飲食では、税率が異なりますので消費税額が異なります。

このように、価格表示に関するルールは複雑です。下記の三点は抑えておきましょう。
原則:総額表示
例外:税抜表示
誤認防止策の徹底

また、消費者側もどちらで表示されているか不明な時は、お店に確認しましょう。

出典元 消費者庁 消費税の軽減税率制度の実施に伴う価格表示について
参考HP: https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/2018/180518zeiritu.htm

 

川越業務部 村田 淳


関連記事

■10月1日の消費税率の変更に向けてシステムの確認をしましょう。

■研究開発税制の検討

■社会保険労務士<事務所通信’20/1月>

■外注費と給与の判断基準

■DX(デジタルトランスファー)時代到来