
NPO法人の意外な?登記
株式会社の場合、取締役などの役員が変わったり、会社の所在地が変わったりした場合、法務局に登記の変更を届け出なければならないことは皆様ご存知かと思います。
NPO法人(正式には、特定非営利活動法人)も同じで、代表権を有する理事が変わったり、事務所の所在地が変わったりした場合に登記の変更をする必要があります。その中でも、NPO法人の登記の変更内容で意外なものが、「資産の総額」の変更です。
確かに、株式会社の場合でも、資本金の額に変更があった場合には、例えば、資本金を300万円から1,000万円にした場合には、法務局に登記の変更を届け出なければいけませんが・・・。
ここで言う「資産の総額」とは、会社の有する資産の総額から負債の総額を引いたもの、貸借対照表でいうところの純資産の部の合計金額のことを言います。
つまり、何かしらの活動をしている限り、当期正味財産増減額(=当期純利益)が0円でない限りは、毎年事業年度終了後にこの登記の変更を届け出なければならないと言うことになります。事業年度終了後2か月以内に届け出なければならないとされています。
ちなみに、債務超過であったとしても、この手続きは必要になります。
このような、「資産の総額」の登記の変更は、NPO法人だけでなく、医療法人、学校法人、社会福祉法人などでも必要になります。
意外と忘れがちな「資産の総額」の登記の変更。こちらをご覧になっているNPO法人の関係者の方々も、きちんと登記の変更をしているか是非ともご確認ください。
出典:税務研究会出版局「NPO法人の会計と税務」
千葉流山事務所 和田義史