
酒税115億円の返還を求めて
2017年4月にサッポロビールが酒税115億円の返還を求めて、国税当局を提訴しました。さて、今回の酒税の納付から提訴までは約3年半の期間が経過していますので、その間の流れを簡単にご紹介します。
1.サッポロビールは2013年6月に第三のビールとして「極ゼロ」を発売したが、国税当局に第三のビールに該当しない可能性があるとして、酒税115億円をひとまず自主納付した。
2.その後、社内検証で「極ゼロ」が第三のビールに該当するとして、国税当局に酒税の返還を求めていたが、国税当局は2015年4月、サッポロビールに対して返還しないという内容を通知した。
3.その通知に対して、サッポロビールは2016年6月に異議申し立てを行ったが、同年9月に棄却された
4.3.の棄却後、サッポロビールは2015年10月に審査請求を行ったが、2016年10月に棄却された。
5.1.~4.の流れのもとサッポロビールは酒税115億円の返還を求め、2017年4月に東京地裁に国税当局を提訴した。
という流れです。なお、2016年4月1日以降は国税不服申立制度の改正により、異議申立をせずに直接審査請求できることとなりました。
今現在、判決は確定していませんが、この判決が下れば、今までグレーゾーンだった発泡酒と第3のビールの区分に一つの線引きができるため、今後も注目していきたいと思っています。
渋谷事務所 吉田匡史