過去の所得税の還付手続き

平成23年分の所得税の確定申告の準備をしながら、「昔の医療費の領収書が見つかった」など過去の所得税の払いすぎに気付いた方もいらっしゃるかと思います。今回は、そんなときに行う還付手続きについてご説明いたします。

その年分の確定申告をしなかった場合
会社員のように年末調整で納税手続きが終わる人は、何もなければ確定申告の必要はありません。大部分の会社員の方は確定申告をおこなっていないかと思います。このようにその年分の確定申告をしていない人ならば、還付を受けようとする年分の翌年以降5年間のうちならば普通に申告して還付を受けられます。

その年分の確定申告をした場合
1.更正の請求
いったんその年分の確定申告をしている人は、改めて税務署に「所得税額の減額を求める」という別の手続きが必要になります。
これを「減額更正」を求めるといいます。
「更正」とは税務署が納税者の申告内容を訂正することで、「減額更正」は申告所得額と税額を減らすことです。所得税の場合、還付を受けようとする年分の申告期限(対象年の翌年3月15日)の1年後まで、減額のための「更正の請求」という手続きができます。これを税務署が認めれば税金が還付されます。

2.更正の申し出
上記の「更正の請求」の期限を過ぎてしまった人が行うことができる手続きが、「更正の申し出」です。国税庁は2011年末「更正の請求」の期限が過ぎてしまった人を救済するため新たに「更正の申し出」という仕組みを作りました。具体的には、所得税の場合、還付を受けようとする年分の申告期限の3年後まで、「更正の申し出」を認めています。
更正の請求期間に間に合えば「請求」をし、間に合わなければ「申し出」をする形になります。なお、「請求」は税務署が減額しなければ最終的に裁判を起こせるのに対して、「申し出」は不服が言えないという点に違いがあるので注意が必要です。

税金が減額される可能性があるケース(一例)
○捜していた医療費の領収書が見つかった
○医療費控除の対象となる介護費を申告していなかった
○医療費から差し引く保険金などを多めに申告していた
○老人扶養控除の申告をしていなかった
○障害者控除や寡婦控除が受けられるのに、申告し忘れた
○大学生の子供の国民年金保険料を支払ったのに、申告していなかった
○盗難に遭ったのに、雑損控除の申告をしなかった
○売却した土地の取得価格を証明する書類が見つかった
○減価償却できるのに、必要経費として申告していなかった

上記以外にも減額される可能性がありますので、詳しくはコンパッソ税理士法人までご相談下さい。

出典:日経新聞2012年2月15日記事

渋谷事務所 佐藤郁子

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