退職者に支払うボーナスと源泉徴収

 退職者にボーナスを支払う際、経理担当者は源泉徴収の事務手続きに注意が必要です。なぜかというと、ボーナスの支払日までに退職した者がいる企業では、一般的な手続とは異なる手続を行う場合があるからです。

 まず、退職者へボーナスが支払われるのか否かについて、各企業で定めた就業規則等で個別に判断する必要があります。例えば、就業規則においてボーナスの支給対象を「賞与支給日の在籍者」としている場合、ボーナスの支給日の前日までに退職した者には残念ながらボーナスは支払われません。

 一方で、「一定期間に在職している者」を支給対象としている場合には、ボーナス支給日に既に退職している者にも、ボーナスが支給されます。このボーナスは退職に基因して支払われるものではなく、在籍者に支払われるものと性質が同じであり、退職所得等には該当しないので、給与所得として源泉徴収が必要となります。(所基通30-1)

 その源泉徴収の方法については、原則として給与所得の源泉徴収税額表の乙欄で行うこととなります。

 ただし、ボーナスの場合には退職後その年中に支給するものであるなら、退職者が他社へ転職していない等、他の給与等の支払者を経由して給与所得者の扶養控除等申告書を提出していないことが明らかな場合には、退職後であっても給与所得者の扶養控除申告書の効力を有する者として、甲欄で源泉徴収をしても差し支えないと規定されています。(所基通194・195-6)

 なお、退職者のボーナスから源泉徴収した所得税及び復興特別所得税も原則として、賞与を支払った月の翌月10日(「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」を提出している場合には、ボーナス支給日により7月10日あるいは翌年1月20日)が納付期限です。
  
出典:税務通信より          

千葉旭事務所 渡邉 武男