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賦課課税と税額の誤り

⒈ 税金の計算
 税金の計算方法は2つあります。申告納税方式賦課課税方式の2つです。
申告納税式は、税額を納税者の責任で計算し、税額を確定させて納税を行います。
一方、賦課課税方式は行政庁が税額の計算を行い、納税者に通知します。
申告納税方式では納税者の責任で税額の計算を行いますが、当然、税法は難解なので専門家たる税理士が皆さまのサポートを行います。賦課課税方式は、こちらも専門の行政庁が計算しますので、問題がないはずです。
しかしながら、以下のような事例が起きております。

⒉ 計算間違いの例
 賦課課税方式の税金で身近なものは、住民税固定資産税ですが、近年、行政庁の計算間違いが散見されました。
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船橋市 「個人住民税課税漏れ等について」

「既に課税した平成29年度個人住民税の一部について、その課税処理の過程で、年金支払金額が反映されておらず、課税漏れ等が生じていました。」
http://www.city.funabashi.lg.jp/kurashi/zei/002/p060080.html
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船橋市のリリースでは、マイナンバー導入に伴い、事務処理の外部委託先のパンチ入力用プログラムの不備、職員の確認漏れによるトラブルの様です。そもそも、マイナンバーは行政コスト圧縮のためなのですが、一時的な混乱が見られるようです。こちらも人出不足の影響なのでしょうか。
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渋谷区 「給与から差引かれる特別区民税・都民税に対して一部寄附金控除の適用漏れがありました」

「渋谷区において、平成30年5月10日に送付いたしました平成30年度特別徴収の対象となられている納税義務者の方々のうち、一部、税額に寄附金額の控除が反映されていない方がいることが判明いたしました。」
https://www.city.shibuya.tokyo.jp/kurashi/zeikin/kyuuyo_tekiyoumore.html
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ふるさと納税の寄附金控除の適用が漏れて、住民税の額を計算したようです。
総務省の調査によりますと、渋谷区から流出したふるさと納税額は約29億円で全国ランキング13位です。(総務省ふるさと納税ポータルサイト)
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/archive/#ac02

続きましては、固定資産税です。
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板倉町 「固定資産税に係る課税誤りについて(お詫び)」
「平成27年度に1件、平成28年度には2件の住宅用地の特例適用誤りによる誤徴収が発見されました。」
https://www.town.itakura.gunma.jp/cont/s006000/d006010/20180119114430.html
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住宅用土地の特例の適用が漏れており、過大徴収と過少徴収の両方が発生し模様です。特例を適用すべき土地と、用途が変わり特例の適用を止めるべき土地の処理が漏れたとの事で、還付は10年、徴収は5年遡るとの事です。
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横浜市 「課税記録ない」

「固定資産税の過徴収 返還の時効は5年?20年?」
「複数のオフィスビルに対して誤った固定資産税評価の計算を行っていたとして、横浜市は1月25日、ビルの所有者らに対して計約8億8千万円を返還することを発表した。20年以上にわたって過徴収があったとしつつも、2005年度以前の課税記録が残ってないことを理由に返還するのは06年度からの12年分に限るという。」
https://www.tabisland.ne.jp/news/tax/2018/0202_2.html  (TabisLand 2018.2.2)
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納税者からの申立てにより発覚し、建物の構造の評価に誤りがあった模様です。築20年以上のビルで竣工時から評価が間違っていたそうです。一方的に間違えて、ともすると「居直り」とも取れる横浜市の対応ですが、行政の文書管理についてこちらでも火の手が上がっているように感じます。もし固定資産税の評価で気になりましたら、ご連絡ください。

⒊ 賦課課税は行政庁が納税額を決定しますが、問題があるケースが見受けられるようです。昨年と比較して、急激に金額が増えた周辺と比べて税額が高い気がするなど、気になることがあったら、役所に問い合わせるなど、対応が必要かと思われます。税金の話は複雑ですので、その際はコンパッソ税理士法人まで、ご連絡ください。

渋谷事務所 実森順平

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