資産費用化のプロセスについて(製造業を例として)

 費用の認識について理解しましょう。
 費用は財産の費消分と財貨の費消の予想分からなります。財貨の費消分は、財貨が消費されて初めて費用になり、発生主義により認識されます。これらはまず、いつ記録するかを判断し、さらに費用収益対応の原則により期間帰属を決定することになります。
 製造業における資産のうち棚卸資産は、収益に対応して費用化します。製品が一つ販売されて収益が認識されると同時に、製品という棚卸資産が企業外部に流出します。そこで、売掛金と収益の発生の認識を基に、費用の発生と棚卸資産の減少を認識します。これを費用収益対応の原則といいます。
 また、製造業の有する固定資産である製造機械は、加工等の為に購入した固定資産が当期に消費された分を減価償却費として認識します。減価償却費とは、過去に取得した固定資産の支出に基づいた当期の費消分です。しかし、その費消分は目に見えず、具体的、客観的に価値減少が判断できないため、一定のルールに基づき、人為的な仮説計算を行うことになります。このルールとは、「基礎価額」、「残存価額」、「配分基準」という、減価償却の三要素を意味します。
 「基礎価額」とは、取得原価であり、「配分基準」とは、耐用年数を指します。まず、初めに①取得原価を測定し,②残存価額(法定耐用年数を過ぎた後に残る価値)を決定したのち、その差額を③耐用年数にわたって償却していきます。
 ここで、「配分基準」とは、固定資産が取得年度以降も使用することから、減価償却費は原価配分ととらえることができます。企業会計原則の貸借対照表原則五によれば「資産の取得原価は、資産の種類に応じた費用配分の原則によって、各事業年度に配分しなければならない」とされ、さらに「有形固定資産は、当該資産の耐用期間にわたり、定額法、定率法等の一定の減価償却の方法によって、その取得原価を各事業年度に配分」しなければならないとされています。つまり、減価償却は、原価配分を目的として行われていることになります。
 
参考文献
伊藤邦夫著 『新・現代会計学入門 第3版』 日本経済社 2018年
新井清光著 『新版現代会計 第2版』 中央経済社 2018年

千葉旭事務所 大木 剛仁

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