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資本金と税金の関係

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会社を設立した場合、又は、増資を行う場合等に資本金をいくらに設定するか悩む場合もあるかと思います。そこで、資本金と税金の関係についてまとめてみました。

1.資本金1億円超の場合
(1)以下の中小法人の特例が使えなくなります。
  ・年800万円以下の所得に係る軽減税率(現行18%)
  ・留保金課税の不適用
  ・貸倒引当金の法定繰入率による損金算入限度額の計算
  ・交際費等の損金不算入制度における定額控除制度
  ・欠損金の繰戻還付制度(解散等の事実が生じた場合を除く)
  ※これらの規定は資本金の額等が1億円以下であることに加え、資本金の額等が5億円以上である法人による完全支配関係が
   ない場合に適用されます。

(2)以下の中小企業者等の特例が使えなくなります。
  ・中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例
  ・中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除
  ・中小企業者等における教育訓練費の税額控除
  ・中小企業技術基盤強化税制
  ・雇用促進税制における人数要件の緩和、税額控除限度額の特例
  ・環境関連投資促進税制における税額控除の選択  他
   ※中小企業者等とは、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人のうち、同一の大規模法人に発行済株式等の2分の1
    以上、又は、複数の大規模法人に発行済株式等の3分の2以上を所有されている法人以外の法人(資本又は出資を有しない
    法人の場合は、常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人)と農業協同組合等を言います。

(3)住民税均等割の税率が変わります。
   ※均等割の算定は会計上の資本金ではなく、法人税法上の資本金等の額が基礎となります。

(4)住民税法人税割の税率が高くなる場合があります。

(5)事業税で外形標準課税の課税対象となります。
   ※外形標準課税とは、所得だけではなく、その企業の付加価値額、資本金等の額に対しても課税する制度で、その事業年度が
    赤字であっても課税されるものです。支店の存在する都道府県が多い場合には、資本金等の額を課税標準とする資本割だけ
    でも、かなりの税負担が発生することになります。

2.資本金3,000万円超の場合
以下の特定中小企業者の特例が使えなくなります。
 ・中小企業者等が機械等を取得した場合(中小企業等投資促進税制)、事業基盤強化設備等を取得した場合等の税額控除の
  選択  他

 
3.資本金1,000万円超の場合
  住民税均等割の税率が変わります。

4.資本金1,000万円以上の場合
  消費税で新設法人の場合の納税義務が免除されなくなります。

資本金の決定は税制面からだけで判断するものではありませんが、このように資本金をいくらに設定するかによって、税務上は有利・不利がでてきます。特に、資本金が1億円を超えると著しく税負担が大きくなる可能性がありますので注意が必要です。

川崎事務所 大橋暁

 

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