財産をもらったときの税金(贈与税)

 平成23年度税制改正大綱では、相続税について基礎控除額の引き下げ死亡保険金に係わる非課税枠の引き下げなど、将来の相続税負担が増加すると予想される事項が公表されました。そのため、今回のトピックスでは相続税に深く係わりある贈与税についてご説明したいと思います。

<財産をもらったときの税金>

 個人から財産をもらったときは、贈与税の課税対象となります。贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、受贈者は贈与者ごとにそれぞれの課税方法を選択することができます。

<暦年課税とは>

 1年間(1月1日~12月31日)に贈与を受けた財産の価額の合計額から基礎控除額110万円を差し引いた残額について税率を乗じて贈与税額を計算します。
 ※平成23年度税制改正大綱により税率構造が変更となっています。

●配偶者からの贈与の特例
 婚姻期間20年以上の夫婦の間で居住用不動産等の贈与があった場合には、一定の要件に当てはまれば、基礎控除額110万円のほかに最高2,000万円までの配偶者控除が受けられます。

<相続時精算課税とは>

 贈与をうけたときに贈与財産に対する贈与税を支払い、贈与者が亡くなったときにその贈与財産と相続財産とを合算した価額を基に相続税額を計算し、既に支払った贈与税額を控除するものです。相続時精算課税は次の要件に該当する場合に贈与者が異なるごとに選択することができます。
なお、一度この相続時精算課税を選択すると、その後、同じ贈与者からの贈与について「暦年課税」へ変更することはできません。(ポイント1)

◇対象者等
1.贈与者(贈与をする人)は65歳以上である親
2.受贈者(贈与を受ける人)は20歳以上の贈与者の推定相続人である子(子が亡くなっているときは20歳以上の孫)
 ※平成23年度税制改正大綱では対象者の要件が贈与者については60歳以上に引き下げ、受贈者については20歳以上の孫が追加
  され、適用範囲が広げられました。

○計算方法
 受贈者は「相続時精算課税」を選択した贈与者ごとに、1年間(1月1日~12月31日)に贈与を受けた財産の価額の合計額から特別控除額2,500万円(前年以前にこの控除額を適用した金額がある場合は、その金額を控除した残額)を控除した残額に20%の税率をかけた金額を算出し、その合計額が贈与税額となります。

●計算例
 子が親から2年にわたり財産の贈与(1年目に1,500万円、2年目に1,800万円)を受け、1年目から相続時精算課税の適用を受ける場合

1年目の計算 1,500万円-1,500万円(特別控除額)=0円 贈与税はかかりません
2年目の計算 1,800万円-1,000万円(特別控除額)=800万円  800万円×20%=160万円
 ※2年目に適用する特別控除額は、2,500万円から1年目に適用した1,500万円を差し引いた額となります。

<住宅資金の贈与を受けた場合>

 住宅資金の贈与を受けた場合は次の制度又は特例があります。なお、1.と2.の特例は重複して受けることができます。(ポイント2)

1.住宅資金の非課税
 平成23年12月31日までに直系尊続(親や祖父母)から住宅取得等のための金銭の贈与を受けた場合で一定の要件を満たせば、非課税限度額(平成23年中に住宅取得等資金の贈与を受けた場合は1,000万円)までの住宅取得等資金の贈与が非課税となります。

2.相続時精算課税選択の特例
 平成23年12月31日までに住宅取得等のための金銭の贈与を受けた場合には、一定の要件を満たせば、贈与者(父母)が65歳未満であっても相続時精算課税を選択することができます。

 上記ポイント事項や住宅資金の贈与等要件が細かくなっているものもありますので、ご不明な点がありましたら、ご相談ください。

参考文献:国税庁ホームページ
                             

川崎事務所 塩崎優美子
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