
補助金と確定申告
3月15日で平成23年分の所得税確定申告が終わり、消費税の申告がある方は月末に向けてまだ慌ただしい時間を過ごされていることかと思います。
今回の確定申告の中でとくに話題となったのが、『賠償金』・『補助金』として受け取った収入をどの様に申告するかという点でした。
1.賠償金
受け取った賠償金については、まず大きく2つに分けられます。
(1)心身に加えられた損害について支払を受ける慰謝料等
例えば、交通事故等による負傷について受ける治療費や慰謝料、それに負傷して働けないことによる収益の補償をする損害賠償金などについては、従前どおり非課税扱いとなります。
なお、東京電力からの賠償金のうち、避難生活等による精神的損害、生命・身体的損害、 検査費用(人)、放射線被曝、避難・帰宅費用、一時立入費用、検査費用(物)のうち家事用資産に係るものについても非課税扱いとなります。
(2)事業所得等の収入金額になる賠償金
例えば、運送途中の商品が事故等で商品の価値を喪失し、賠償金の支払を受けた場合は収入金額の補填となるため事業所得の収入金額になります。同様に必要経費を補てんするためのものや営業損害のうち減収分(逸失利益)に対するもの、就労不能損害のうち給与等の減収分に対するものなどは、事業所得等の収入金額になります。
東京電力からの賠償金についても同様の考え方に基づいて課税が行われている様です。東京電力と合意した年分、又は、補償期間に応じたそれぞれの年分の収入金額に計上することになるため、急激な一時負担が生じないように注意することが必要になります。
2.補助金について
『補助金』として現在一番注目を浴びているのが、太陽光発電システムを自宅に設置した際に国や地方公共団体から受け取る『補助金』だと思います。
発電・太陽光パネル関係のメーカーの他、家電量販店でもこれらの補助金を目当てにしたシミュレーションを提案することで購買意欲を誘うようにしている様子が伺えます。
支給される補助金の金額は、居住されている地域毎に制度が用意されているため金額は異なりますが、1Kw当たり○○万円というケースが多い様です。
受け取った補助金は、原則として「一時所得」に該当するので、給与所得以外の収入が上記の補助金だけの場合は、課税される一時所得が20万円以下であれば確定申告をする必要はありません。
なお、国や地方公共団体から受けた補助金を利用してその年中に太陽光発電システムを自宅に設置した場合は、確定申告をすることによって設置にあてた金額を所得の計算上、収入に計上しないという規定(所得税法第42条)があります。「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を記入して申告書と一緒に提出することによって税金を0円にすることが可能になります。
太陽光発電システムを設置した後、電力会社に対して売電して得た収入については、「雑所得」に該当しますが、給与所得以外の所得金額が20万円以下の場合は確定申告をする必要はありません。
賠償金・補助金ともに今後も流動的に状況が変わる可能性が考えられます。下記HP等を中心に関係する団体から発せられる情報を注意深く収集することが重要になります。
出典:日本経済新聞
太陽光発電普及拡大センター(URL:http://www.j-pec.or.jp/)
国税庁HP