自動車取得税が廃止されることによる影響

平成25年1月24日に自民党と公明党が発表した「平成25年度税制改正大綱」で、自動車税が段階的に廃止される案が提出されました。自動車取得税はその名の通り、車の購入時に係る税金です。その税率は、新車の価格を基準とする「取得価額」に5%を乗じて算出します。
これが廃止されれば車の購入に積極的になる人が増えると感じる方もいらっしゃると思いますが、実際はどうなりそうか検証してみたいと思います。

今回の大綱によれば、今回の自動車取得税の廃止は消費税の増税と関連付けられているというものが一般的な考えです。
消費税は、2014年4月に8%、2015年10月に10%に増税されることが決定しています。
今回の自動車取得税の廃止は、このスケジュールに合わせて自動車取得税を二段階で引き下げています。その内容は消費税8%への増税時にエコカー減税の拡充、10%への増税時に廃止という流れです。
このことを考慮しますと、消費税が5%から10%に上がる代わりに、5%の自動車取得税を廃止することになり、購入者の負担が変わらないような制度となっているように感じられます。

しかし、大綱の文章をそのまま解釈すると、今より負担が増える可能性が高くなります。
自動車取得税の課税ベースとなる「取得価額」は、税抜きの本体価格の9割です。そのため、取得税の税率が5%でも、実際に徴収されるのは、税抜きの本体価格の4.5%となります。消費税が10%になり取得税が廃止されると、以前までは課税されてこなかった本体価格の1割にも消費税が課税されることとなり、相殺されるどころか、かえって本体価格の0.5%分購入者の負担が増えることになります。

税抜きの本体価格が300万円の場合

15,000円の負担増となります。

また現在の自動車取得税は、本則の3%と特例の2%(普通・小型乗用車のみ)の合算の5%となっていますが、今回の自動車取得税廃止により、その特例を既成事実化する効果を含ませています。この流れは、現在普及が進んでいる軽乗用車にも及ぶ可能性があります。
軽自動車に関しては、現在の取得税3%と消費税5%が、取得税が廃止されると消費税の10%になります。軽乗用車も取得価額は税抜きの本体価格の9割なので、100万円の車の場合、以下のようになります。

税抜きの本体価格が100万円の場合

23,000円の負担増となります。

上記大綱が正式に法律化された場合、低価格で高品質が評価され、近年では新車販売台数の3分の1を占めている軽乗用車の販売に、大きな影響が出てくるのではないかと考えられます。

出典:国税庁HP

渋谷事務所 水野良輔

 

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