
自動車リサイクル預託金の消費税法上の取り扱い
平成26年度税制改正で消費税の課税売上割合の計算上、金銭債権(資産の譲渡等の高として取得したものを除きます。)の譲渡については、その譲渡に係る対価の額の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額に算入することとされました。
この改正で消費税の実務上、金銭債権と整理されている自動車リサイクル預託金も対象となることが明らかになったため、今回は自動車リサイクル預託金の内容について、預託金制度の概要及び消費税法上の取り扱い、改正の影響についてまとめてみました。
<自動車リサイクル預託金とは>
自動車リサイクル料金は、使用済自動車から発生する廃棄物の処理やリサイクルをおこなうための費用として車の取得時に購入者が支払います。料金は車体の大きさ等により異なり、1台当たりおおよそ6千円~3万円となっています(平均1台当たり1万円程度)。
リサイクル料金のうち資金管理料金(380円)を除く部分は、廃車まで資金管理法人(自動車リサイクル促進センター)より管理・運用される仕組みで、例えば所有者が中古販売業者等へ車を売却する場合は、車と一緒にリサイクル料金支払ったことを証明するリサイクル券を譲渡することになります。
<消費税の課税区分の取り扱い>
上記のような仕組みから、リサイクル料金の支払いは資金管理法人への預託といえるため、消費税の課税実務上は下記のように整理されております。
1.自動車取得時
リサイクル料金の預託・・・不課税
2.中古車の譲渡時
リサイクル預託金の譲渡・・・非課税売上
3.廃車時
リサイクル預託金の費消・・・課税仕入れ
<まとめ>
上記のとおり、平成26年4月1日以後に中古車販売を行った場合は、課税売上割合の計算上、リサイクル預託金相当額については5%相当額のみを資産の譲渡等の対価の額に算入することになります。
今回の改正は、ファンド等へ貸出債権の売却等行った際に低くなる課税売上割合を事業者の事業者の事業の実態に合わせる趣旨で行われたものでしたが、中古車販売を行う事業者の課税売上割合も高くなる結果となることが予想されます。
出典:税務通信 No.3316