米国の不動産投資における申告について

近年の円高に伴い、米国に投資用不動産を購入する方が増えており、米国での所得税申告についてのお問い合わせをよく受けます。今回は、米国での所得税申告について、概要をご説明させていただきます。

日本に居住する日本人(米国では、非居住外国人という扱いになります)が米国の不動産を購入し、賃貸に供した場合、その不動産所得は米国と日本の両国で税務申告および納税をする義務があります。
米国では、連邦政府(IRS)、不動産が所在する州、および場合によっては市・郡で課税されます。

非居住外国人が受け取る家賃収入に対しては、連邦税の計算上は、「源泉徴収課税方式」あるいは「ネット・レント課税方式」が適用されます。

源泉徴収課税方式」は、家賃から30%源泉徴収された時点で課税関係が終了します。源泉徴収した金額は、テナントあるいはその代理人(不動産管理会社など)がIRSへ納付します。必要経費の控除は一切認められないため、たとえ赤字になっていても、家賃収入の30%を納付することになります。

一方、「ネット・レント課税方式」は、初年度の申告書でこの方式を選択することにより、家賃収入から必要経費(固定資産税、ローンの支払利子、修繕費、管理費、保険料、減価償却費など)を控除して、不動産所得を算出するものです。
減価償却費は以下の通り計算されます。鉄筋、木造、新築、中古の区別はありません。

・居住用賃貸不動産  : 27.5年の定額法
・非居住用賃貸不動産 :   39年の定額法

ネット・レント課税方式で赤字になった場合、連邦税は発生しません。この方式は、源泉徴収課税方式よりも納税者にとって有利な方式です。

なお、連邦では、上記のとおり2種類の方式がありますが、州(および市・郡)ではネット・レント課税方式で計算しなければなりません。
州(および市・郡)は、連邦とは異なる計算方法を採用しているため、赤字であっても税金が発生する可能性があります。
米国で投資用不動産を購入なさった方やこれから購入なさる方は、ぜひ一度ご相談下さい。

渋谷事務所 和田直美
この記事について評価にご協力ください
  •  参考になった 
  •  わかりにくかった 
  •  全く参考にならなかった 
  •  探していた記事と違った 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。


関連記事

■ITを活用した記帳業務

■税金の使い道をご存じですか?Part2

■法人における「宝くじ」利用は、ありかなしか

■棚卸一つとっても

■賦課課税と税額の誤り