競馬の馬券の払戻金に係る課税について

 国税庁は平成30年2月15日「競馬の馬券の払戻金に係る課税について」とする文書を発表し、競馬や競輪の課税関係についての実務上の取り扱いを定めた所得税基本通達34-1を改正する方針を明らかにしました。
 今回は競馬の馬券の払戻金に係る課税関係についてまとめてみました。
 
1.競馬の馬券の払戻金の課税について
 
 競馬の払戻金に係る課税については、それが一時所得と雑所得のいずれに該当するのか、
外れ馬券の購入費用が必要経費として控除できるのかどうかを巡り、国税当局と納税者との間で争われていましたが、裁判所は以下の判断を下しました。
①東京高裁判決(平成28年9月29日)
「一時所得」に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当しない。
②最高裁判決(平成29年12月15日)
「雑所得」に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費に該当する。
 
2.競馬の馬券の払戻金の所得区分等
 
 「一時所得」と「雑所得」に分かれた判決を受けて、国税庁は競馬の馬券の払戻金の所得区分については、馬券購入の期間、回数、頻度その他の態様、利益発生の規模、期間その他の状況等の事情を総合考慮して区分するとしております。
具体的には、馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、又は予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入し続けることにより、年間を通じての収支で多額の利益を上げ、これらの事実により、回収率が馬券の当該購入行為の期間総体として100%を超えるように馬券を購入し続けてきたことが客観的に明らかな場合は、雑所得に該当すると考えます。  なお、上記に該当しないいわゆる一般の競馬愛好家の方につきましては、従来どおり一時所得に該当し、外れ馬券の購入費用は必要経費として控除できませんと注意を呼びかけております。
 
 国税庁は今後「パブリックコメントを行った上で、所得税基本通達34-1を改正する。改正後の所得税基本通達については同庁ホームページで公表する」としております。
 どのような通達に改正されるのか、要注目です。

【出典】国税庁HP

渋谷事務所 田宮 健太朗

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