競馬のハズレ馬券は必要経費!?

現在、「競馬の必要経費」をめぐる裁判が注目を集めています。そこで今回は、「競馬の必要経費」を中心に裁判のポイントについてまとめてみました。

裁判の概要
所得税法違反の罪に問われている男性は大阪市に住む競馬愛好家で、3年間で約27億7千万円の馬券を買い、約30億1千万円の払い戻しを受けていたが、まったく申告をしていませんでした。
大阪国税局は、配当金から当たり馬券の購入費を差し引いた約29億円を一時所得として認定し、約5億7千万を脱税したとして所得税法違反の罪で大阪地検に告発し、在宅起訴に至りました。
男性側は実際の儲けをはるかに超える課税に対し、「ハズレ馬券も必要経費に含めるべき」として裁判で課税の違法性を主張しています。
その後、平成25年2月7日に論告求刑公判が大阪地裁で行われ、検察側は論告で「ハズレ馬券が経費にならないことを認識していたのに、本来納税すべきものを新たな馬券購入に充てたのは自業自得だ」などと指摘し、懲役1年を求刑しました。
判決は同年5月23日を予定しています。

裁判の争点
今回の裁判の争点は一時所得の計算上、ハズレ馬券も必要経費に算入することができるかという点です。
一時所得の計算上、必要経費として控除できるのは「その収入を得るために直接要した金額」と定義されており、競馬の配当金に当てはめると、収入が発生していないハズレ馬券は必要経費に含まれないということになります。法律的にはハズレ馬券の必要経費が認められない事が前提とされる事や、脱税の金額が多額であることから、競馬ファンをはじめ、他の公営ギャンブルファンからも注目が集まっています。
その他にも、馬券購入時に購入代金の10%が国庫に納付されており、二重課税に準じるのかという点や、今回のケースが「営利を目的とする継続的な行為」と認められれば、競馬の配当金の所得区分(雑所得)の判定も争点になるのではないかと思われます。

今回のケースによると結果的に、30億1千万円-28億7千万円=約1億4千万円の実質的な儲けに対し、5億7000万円の納税額ということで、今後の裁判所の判断によっては、競馬を含めた公営ギャンブル人気に影響が出るのではないでしょうか。

出典:納税新聞第3254号

渋谷事務所 田宮健太朗

 

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