知っているようで知らない印紙税

高額な買い物をした際に領収書に貼られる「印紙」ですが、「印紙税法」という法律に基づいて貼付の義務が課せられています。
買い物をしてお金を支払ったという証明である領収書や、契約書に対してなぜ税金がかかるの?と疑問を持った方もいらっしゃると思います。

法律では、その目的について書かれていません。
しかし、印紙貼付の義務を金融取引や有価証券取引を含む各種の経済取引としていることから推察すると、
1.経済取引の背後には何らかの経済的利益が見込まれること、また、2.文書を作成するということは取引事実が明確になり、法律関係が安定化するということ、この2つの効果に対して課税しているのではないかと考えられます。

では、印紙を貼り忘れた場合はどうなってしまうのでしょうか?
印紙税の納付は、作成した課税文書に収入印紙をはり付け、印章又は署名で消印することによって行います。納税者はその文書を作成した人になります。
もし、納税しなかった(=印紙を貼り忘れた)場合は、納付すべき印紙の3倍の過怠税が課せられます。
それがもし調査の前に判明し、自主的に不納付を申し出た場合は1.1倍に軽減されます。

印紙はきちんと貼付したけれど、署名や印章で消印していなかった場合も過怠税が徴収されてしまいます。この場合は消印すべき印紙の額面に相当する金額が課されます。

印紙を貼る事まではみなさんも気をつけていらっしゃると思いますが、「消印」までしないと適切に納付したことにならない点は注意が必要ですね。

ちなみに、「消印」は印紙の再利用を防ぐことが目的なので、印章であればゴム印(日付印など)でもよく、署名は自筆であれば通称や商号のようなものでも問題ありません。
ただし、一見して誰が消印したかがわからない記号や斜線は印章や署名にはあたらないため、消印したことにはなりませんので、ご注意下さい。

また、納付すべき金額よりも余分に納付してしまった場合には、過誤納金として還付の対象となります。所轄税務署長に、「印紙税過誤納確認申請書」を提出し、印紙税が過誤納金となっている文書(原本)を提示し、過誤納金があったことを確認してもらうことで還付を受けられます。

身近にある法律でありながら、実はよく知らないという方も多いかと思います。
ご不明な事がございましたらコンパッソ税理士法人にご相談下さい。

参考:)国税庁ホームページ 佐藤明弘編「問答式 実務 印紙税」

 

渋谷事務所 堀江恵美子


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