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災害等が発生した場合の税務対応 その1

我が国では、地震・台風・土砂など様々な災害に見舞われます。昨年も長野県神城断層地震が発生し、個人、企業を問わず被害を受けた方がいらっしゃると思います。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
こうした災害が発生した場合、被災企業や個人あるいは義援を行った企業や個人について、どのような税務対応が考えられるか3回にわたりご紹介したいと思います。

被災法人の税務
1.期限の延長
災害その他やむを得ない理由によって、国税に関する法律に基づく申告、申請、請求、届出その他書類の提出又は納付等の期限までに、これらの行為をすることができないと認められるときは、その理由がやんだ日から2か月以内に限り、その期限が延長されます。

2.納税の猶予
(1)災害により相当な損失を受けた場合
    相当な損失とは、災害により全積極財産のおおむね20%以上の損失を受けた場合を言います。その者がその損失を受けた日以後1年以内に納付すべき
    国税で次に掲げるものがあるときは、その災害のやんだ日から2か月以内にその者が申請を行った場合、納期限から1年以内の期限に限り、その国税の
    全部又は一部の納税を猶予することができます。 
      ・所得税、法人税、消費税、相続税、贈与税で被災日以前に発生したもので、納期限が被災日以後に到来するもので、かつ納付税額が確定したもの
      ・被災日の属する月の月末以前に支払われた給与等の源泉所得税等で法定納期限が未到来のもの
      ・予定納税に係る所得税並びに中間申告に係る法人税及び消費税
(2)災害を受けたことにより納付が困難な場合
    災害その他やむを得ない理由に基づき、国税を一時に納付することができないと認められる場合には、税務署長に申請することにより、納税の猶予を
    受けることができます。
    納税の猶予期間は、原則として1年以内の期間になりますが、猶予期間内に納付ができないやむを得ない理由がある場合には、すでに認められている
    猶予期間と合わせて2年を超えない期限内で、申請により納税の猶予期間の延長が受けられます。すなわち最長3年間の猶予を受けることができます。
    また、この場合には原則として猶予を受けようとする金額に相当する担保を提供する必要があります。
(3)災害により帳簿書類等が滅失した場合
    災害により帳簿書類等が滅失した場合には、前年度の所得計算の内容を参考にするなどして、所得計算を行い、申告することになります。
    尚、前年度の所得計算の内容を参考とする場合には、所轄の税務署で決算書等を閲覧することができます。また、災害により消費税の課税仕入れに係る
    帳簿書類を消失した場合には、やむを得ない事情により帳簿及び請求書等を保存できなかった場合に該当しますので、仕入税額控除は認められます。

次回は、被災企業に義援を行った法人の税務についてご説明いたします。

出典:日本税理士会連合会監修「税理」
    国税庁HP

川崎事務所 長谷川誠

 

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