災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱い

 この度の東日本大震災にて被災された皆様に心よりお見舞いを申しあげます。1日も早い復興を心よりお祈り申しあげます。

 東日本大震災の発生に伴い、災害に関する法人税、消費税及び源泉所得税の取扱いが国税庁から発せられております。一部を抜粋してご紹介します。

1.従業員等に支給する災害見舞金品

【法人税法上の取扱い】 
法人が、被災した自己の従業員に支給する災害見舞金品が福利厚生費として取り扱われるための「一定の基準」とは、被災した全従業員に対して被災した程度に応じて支給されるものであるなど、各被災者に対する支給が合理的な基準によっていることや、その金額もその支給を受ける者の社会的地位等に照らし被災に対する見舞金として社会通念上相当であることが必要です。
 また、「一定の基準」については、あらかじめ社内の慶弔規程等に定めていたもののほか、今回の災害を機に新たに定めた規程等であっても、これに該当するものとして取り扱われます。

【消費税法上の取扱い】
金銭により支出する災害見舞金は、消費税の課税対象ではないため、不課税取引となります。したがって、支出した災害見舞金は課税仕入れにはなりません。(消基通5-1-2)。

2.被災した取引先に対する売掛債権の免除

【法人税法上の取扱い】
法人が売掛金等の債権を免除した場合に、その免除が取引先の復旧過程においてその復旧支援を目的として行われるものである場合には、その免除をしたことによる損失が寄附金や交際費等以外の費用として取り扱われます。(法基通9-4-6の2)。
したがって、売掛債権の免除は、災害発生後相当の期間内、例えば、店舗等の損壊によりやむなく仮店舗により営業を行っている場合のように、被災した取引先が通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間内に行うことが前提となります。

【消費税法上の取扱い】
消費税の課税取引に係る売掛金等の債権の額の全部又は一部の減額により、売上げに係る対価の返還等を行った場合は、その返還等をした対価に含まれる消費税額を課税標準額に対する消費税額から控除することとされています(消法第38条第1項)。
したがって、法人が被災した取引先に対して、その取引先が復旧過程にある期間内に復旧支援を目的として売掛金等の債権(課税取引に係る債権に限ります。)の全部又は一部を免除した場合で、その売掛金の免除による損失の額が法人税法上の寄附金及び交際費等以外の費用とされるものについては、当該費用として処理した売掛債権に係る消費税額を、その処理した課税期間の課税標準額に対する消費税額から控除することができます。
(注) 金銭の貸付けは不課税取引ですので、その貸付金の全部又は一部の返済を免除した場合は消費税の課税関係は生じません。

3.自社製品等の被災者に対する提供

【法人税法上の取扱い】
法人が、災害による被害を受けた不特定又は多数の者を救援するために緊急に行う自社製品等の提供に要する費用の額は、寄附金及び交際費等に該当しないもの(広告宣伝費に準ずるもの)として損金の額に算入されますが、この取扱いは、自社製品等の提供が、国等が行う被災者に対する物資の供給と同様の側面を有していること、また、一方では、その経済的効果からいえば、広告宣伝費に準ずる側面を有していることによるものです(法基通9-4-6の4)。
したがって、あらかじめ特定のごく限られた者のみに対する贈答(利益供与)を目的として行われた自社製品等の提供は、寄附金又は交際費等に該当します。
ただし、得意先の従業員等が避難している特定の避難所に対して行う自社製品の提供であっても、多数の被災者に対して救援のために緊急に提供した自社製品については、あらかじめ特定のごく限られた者のみに対する贈答(利益供与)とは異なることから、広告宣伝費に準ずるものに該当します。

【消費税法上の取扱い】
 自社製品等は、被災者等に対して無償で提供されるものですので、対価を得て行われる資産の譲渡等に該当せず不課税取引となります。
なお、課税売上割合が95%未満で仕入税額控除を個別対応方式により行う場合、自社製品等の提供のために要した課税仕入れ等の区分は、提供した自社製品等の態様に応じ、次のとおりとなります。
  (1)自社製造商品の提供
    自社で製造している商品(課税資産)の材料費等の費用は、課税売上げにのみ要する課税仕入れに該当します。
  (2)購入した商品等の提供
    イ.通常、自社で販売している商品(課税資産)の仕入れは、課税売上げにのみ要する課税仕入れに該当します。
    ロ.被災者に必要とされる物品を提供するために購入したイ以外の物品(課税資産)の購入費用は、課税・非課税
      共通用の課税仕入れに該当します(消基通11-2-17)。
(注) 自社製品等を被災者等に提供する際に支出した費用(被災地までの旅費、宿泊費等)に係る課税仕入れは課税・非課税共通用の課税仕入れに該当します。

 参考資料:国税庁ホームページ
 

渋谷事務所 川上大輔
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