清算所得課税の廃止

1.概要

 平成22年度税制改正では、資本等取引の見直しが行われ、従来の連結納税制度が改組されました。そして新たな税制としてグループ
法人税制が創設され、清算所得課税についてもその見直しが行われております。今回の改正により課税方式がこれまでの財産法から損益
に移行され、それに伴い、残余財産がない場合の期限切れ欠損金の損金算入措置が講じられております。

2.清算所得課税の廃止による課税方式

 改正前課税方式・・・清算所得 = 残余財産価額-〈解散時の資本等の額+解散時の利益積立金額等〉
  (財産法)                      

 改正後課税方式・・・清算所得 = 益金    - 損金
  (損益法

3.みなし事業年度

 法人が事業年度の中途において解散した場合には、その事業年度開始の日から解散の日までを一事業年度とし、その後の解散の日の翌日
から一年ごとの期間(清算事務年度)を清算中の各事業年度とする。

4.最終事業年度の事業税と税率

 法人の残余財産の確定の日の属する事業年度に係る地方税法の規定による事業税の額は、その法人のその事業年度の所得の金額の計算
上、損金の額に算入することとされました。なお、地方特別税についても同様とされています。
 また、課税方式が改正されたことに伴い、内国法人である普通法人の基本税率は30%となります。なお、改正前の清算所得課税の
税率27.1%で、これは後の事業年度の損金算入されない事業税9.6%を考慮したものとされておりました。

5.期限切れ欠損金の計算

  期限切れ欠損金 = A - B

  A:適用年度終了時の時における前事業年度以前の事業年度から繰り越された欠損金の合計額
  B:青色申告書を提出した年度の欠損金の繰越(法法57①)又は青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越
   (法法58①)の規定の適用がある欠損金額

6.「残余財産がないと認められるとき」

 その判断基準については明文規定がありません。
 残余財産がないと見込まれる場合とは、実質的に債務超過であることを意味するものと判断され、その判断は時価ベースによる実態
貸借対照表によるものと思われます。
 また、その判定時期については、各清算事業年度の終了時における実態貸借対照表によるものと思われます。

7.適用時期

 ①平成22年10月1日以後に解散が行われる場合、又は②同日以後に解散する法人の残余財産が確定する場合における法人の各事業年度の
所得に対する法人税について適用されます。

(税理2010年8月号より抜粋)

渋谷事務所 植竹 秀之

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