
清算中法人の復興特別法人税の取扱い
平成24年4月1日から復興特別法人税制度が施行されて以降、実務上の取り扱いには慣れてきた頃ではないでしょうか。取扱うケースは余り多くはないと思いますが、平成22年9月30日以前に解散した法人の申告においては注意が必要になりますのでご紹介したいと思います。(平成22年10月1日以降の解散法人に関しましては、清算所得課税は廃止され通常の所得課税に移行しております)。
<平成22年9月30日以前に解散した内国普通法人等の取扱い>
1.復興特別法人税の申告
復興特別法人税が課される基準法人税額は各事業年度の所得に対する法人税の額とされており(復興財源確保法44)、清算所得に対する法人税の額は基準法人税額とはなりません。したがって、復興特別法人税の課税標準である課税標準法人税額がないこととなりますので、復興特別法人税申告書を提出する必要はありません(復興財源確保法51(1)ただし書)
2.復興特別所得税額の控除又は還付
清算所得に対する法人税を課されている平成22年9月30日以前に解散した内国普通法人等が清算中に課された復興特別所得税の額は、清算所得に対する法人税(清算中の各事業年度の所得に係る法人税を含みます。)の額から控除されるべき所得税の額とみなすこととされています(所得税法等の一部を改正する法律(平成22年法律第6号)附則29の2)。
したがって、復興特別所得税の額の還付を受けるために復興特別法人税申告書を提出することはできませんが、清算事業年度予納申告書(別表二十(一))又は清算確定申告書(別表二十(二))により法人税の申告を行う際に、所得税の額と併せて復興特別所得税の額を控除し、控除しきれなかった金額については清算確定申告において還付をうけることができます。
<申告書の「控除税額の計算」の内訳「所得税の額」欄の記入例>
受取利息100,000(源泉所得税15,000、復興特別所得税315、利子割5,000)の場合
1.平成22年10月1日以降の解散法人
・法人税別表一(一) → 15,000
・復興特別法人税別表一(一) → 315
2.平成22年9月30日以前の解散法人
・法人税別表二十(一) → 15,315
・復興特別法人税別表一(一) → 提出なし
以上となります。上記の件でご相談はコンパッソ税理士法人までお気軽にお問合せ下さい。
出典:国税庁「復興特別法人税の概要」