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消費税率引き上げに伴う短期前払費用の取り扱い

安倍晋三首相は、去る10月1日、消費税率を平成26年4月より8%に引き上げる旨の表明をしました。
法人が賃貸料や年間購読料などの費用を前払した場合など、消費税率引き上げに伴う短期前払費用の取り扱いはどうなるのか?
今回は、その取り扱いについてご紹介します。

法人が賃貸料や年間購読料などの費用を前払した場合において、法人税法上、その支払日から1年以内に提供を受ける役務に係るものについては、その支払金額を継続してその事業年度の損金の額に算入しているときには、短期前払費用として、支払い時に損金に算入することが認められています(法人税基本通達2-2-14)。

この適用を受けている場合には、事務処理の煩雑さの軽減の観点から、消費税においても同時期に仕入税額控除を行うことになります(消費税法基本通達11-3-8)。この場合において、短期前払費用として支出した日が、平成26年3月31日までの場合は、原則として、現行5%の税率が適用されます。
ただし、この短期前払費用の特例を適用している場合、その支払いに対応する期間が、税率引上げ時期をまたぐような場合においては、その取り扱いは、次の2つの処理が認められます。

1.平成26年4月1日以後の期間に対応する取引の対価について、8%で請求されていることが明らかで、かつ、これを支払っている場合には、上記短期前払費用を適用し、全額損金算入している場合であっても、8%期間分の課税仕入れに係る消費税額相当額を、仮払金として翌期に繰り延べることができます。

2.あるいは、税率引き上げ前の事業年度において引き上げ後の8%相当分も含めた上で、税率5%で仕入税額控除を行い、その8%相当分に対応する部分については、税率引き上げ後の事業年度において、仕入れに係る対価の返還を受けたものとした上で、改めて8%で仕入税額控除の計算を行うという処理も認められます。

このように、消費税率引き上げに伴い、経理処理は複雑化されることが想定されるため、ご不明な点がございましたら、コンパッソ税理士法人までお問い合わせください。

出典:税務通信No.3282

川崎事務所 鈴木那央樹

 

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