消費税率引き上げに伴う今後の税制の行方

今回は、平成26年4月に予定されております消費税率引き上げについて、その引き上げに伴う今後の税制の行方についてお話したいと思います。

新聞等で報道されているように、安倍首相が消費税率の引き上げに備えた経済対策として、法人税の実効税率の引き下げを検討するように指示を出したそうです。
具体的には、東日本大震災の復興財源を確保するため法人税に上乗せしている「復興特別法人税」を予定より1年早い、平成25年度末で廃止する方向で最終調整に入っているとのことで、これが実現すれば、現在38.01%(東京都の場合)である実行税率が、35.64%(同)に引き下げられる事になります。

しかし、復興特別所得税については、何ら変更は予定されておりません。
よって、個人の消費税負担増大により、消費税増税前の駆け込み需要は想定されるとしても、中・長期的には日本国の内需は低下し、企業の売上が減少するのではないかという点が危惧されているようです。
消費税増税によって消費者の財布の紐が固くなってしまえば消費が落ち込み、デフレ脱却どころか、日本経済全体が低迷することが考えられ、また充分な財源の確保にもつながりません。

このような事態への対抗策として、検討されているのが、企業が雇用者に支払う賃金を増加させた場合や、設備投資を行った場合には、法人税を優遇するような制度の拡充であると報じられています。
そのため、後にこのような優遇制度の新設だけでなく、既に施行されている雇用促進税制、平成25年度税制改正において発表のあった、所得拡大促進税制や生産等設備投資促進税制といったような制度の対象拡大・要件緩和などが実現することとなるのかもしれません。

しかし、麻生財務大臣は、「代替財源を今すぐ見つけることは難しい」とした上で、「実効税率を引き下げた場合に、それによって出た利益が設備投資や雇用の増大、給与引き上げに回る保証を経営者がするか。内部留保がたまるだけなら意味がない」と難色を示し、「簡単に『はい』と言える話ではない」と語っているように、確かに、このような制度を拡充したからといって、企業がすぐに給与の引き上げを行うかと言えば疑問が残ります。

安倍政権がこの問題点にどのようにアプローチしていくのか。また、企業が自らこの給与引き上げという「企業の社会的責任」を果たすべく動き出すのか。
これからの動向を注視していく必要があると感じております。

以上のように、日本は、財源確保・景気回復・デフレ脱却を目指し様々な動きを見せています。最新の税制情報に関してご不明点などございましたら、お気軽にコンパッソ税理士法人までお問い合わせください。

出典:平成25年9月19日毎日新聞、平成25年9月20日 TBSNEWS

渋谷事務所 長原将人

 

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