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消費税増税への対応 ~いつ仕入等を行うのがお得なのか?~

消費税増税前には駆け込み需要の発生が予想されます。そこで今回は、事業者も駆け込み購入をした方がいいのか?についてお話したいと思います。

消費税は、事業者が、「顧客から預かった消費税」-「自分が支払った消費税」を納税する仕組みとなっています。
だだし、基準期間の課税売上高の金額により、
   1.預った消費税から支払った消費税を差し引いて納める消費税額を計算する原則グループ
   2.預った消費税にみなし仕入率を乗じて納める消費税額を計算する簡易課税グループ
   3.消費税を納める義務がない免税グループ
の3タイプに事業者は区分され、消費税の納税額を計算することになります。

原則グループの場合> → 駆け込み購入をする必要はない
原則グループの場合、増税前後の購入時期について損得はありません。
例えば、税抜き10,000円の仕入がある場合、5%の時には10,500円を支払い、払った消費税は500円になります。また、8%の時には10,800円支払い、払った消費税は800円となります。8%の時の方が300円多く資金が出ることになりますが、消費税の納税額を計算する時には、8%の時は800円、5%の時は500円を預った消費税から差し引くことになりますので、消費税の納税額は8%の方が300円少なくなります。
よって、5%の時、8%の時いつ仕入れても事業者の利益は変わりません。ただし、5%と8%の仕入時期により、短期的なキャッシュフローは異なりますので、資金繰りには注意が必要です。

簡易課税グループの場合> → 駆け込み購入をした方がいい(ただし、要注意)
簡易課税グループの場合、本来納付すべきだった消費税額(原則グループで計算した消費税額)と簡易課税(みなし仕入率)で計算した消費税額には差額が生じ、この差額は事業者の利益になります。消費税が増税されると、この差額は大きくなるので、簡易課税グループは増税されると得をすることになります。また、仕入等の時期についても、本来の仕入に対する消費税額とみなし仕入率の消費税額の差が大きいほど得をすることになるので、5%の時に購入した方がお得になります。
よって、駆け込み購入をした方がいいということになります。ただし、あまりに駆け込みでの購入が大きい場合や多額な設備投資等を行う場合には、本来の仕入率がみなし仕入率を上回る可能性があり、逆に損をしてしまう場合がありますので注意が必要です。

免税グループ> → 駆け込み購入をした方がいい
免税グループは、本来納付すべき消費税額の納付を免除されている事業者です。ですから、増税により増えた本来納付すべき消費税額を事業者の収入にすることができます。よって、免税グループも簡易課税グループ同様、増税されると得をすることとなります。仕入等の時期についても、より少ない金額で購入できる5%の時に行う方が得となります。

以上、増税前後の仕入等の時期による損得についてお話しました。事業者様がどのグループに該当するのか、又は、どのグループを選択したらよいのか等、消費税についてのご相談がございましたらコンパッソ税理士法人までお問い合わせ下さい。

千葉流山事務所 川手啓喜

 

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