消費税の軽減税率導入による更なる税法の複雑化について

消費税は消費水準に応じて比例的に負担を求めることができる反面、所得に対する負担割合は逆進的となってしまいます。報道によって既にご存知とは思いますが、この逆進性への対応として、軽減税率制度を税率10%時に導入すると与党間で合意されていますが、政治的合意が優先され国民の税の公平・簡素化が見過ごされているように思われます。

欧州では軽減税率を導入している国もありますが、軽減対象の範囲、食料品・生活必需品の範囲など特定しきれていない場合もあり、現場では相当混乱していると言われています。日本でも軽減税率対象に、食料品、書籍、新聞、医薬品、公共料金、住宅、医療等々が対象に上げられています。

食料品などは、高級品から低級品まで幅が広く、高級品も対象となれば高所得者層への優遇となります。
我々実務の現場から見れば、現在消費税が一番トラブルの多い税目です。更に軽減税率を採り入れるとなると実務は混乱し、かつ費用負担が目に見えて重くなります。又、食料品、生活必需品はウエイトが高く軽減税率の減少分をどう捻出するかといった財源の問題を残すことになると思います。

以上を踏まえ逆進性への対応については、低所得者層への軽減対策として、社会保障制度等を通じたきめ細かい配慮による対応を中心とする対策が必要であるとともに、標準食費などを基準とした税額還付方式を適用するなど、税の仕組みの複雑化を避けるべきであり、税の公平、中立性、簡素化を考慮して立法すべきであると思います。

社員税理士 佐藤清一

 

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