消費税の転嫁について その3

前回に引き続き、消費税の転嫁についてです。
最終回の第3回目は、消費者に対する宣伝や広告の禁止表示についてご説明します。

消費税は「最終的に消費者が負担し、事業者が納付する税金」です。消費税率引き上げに際し、円滑かつ適正な転嫁ができるように「消費税は転嫁しません」等の消費税の負担が誤認されるような宣伝や広告が禁止されます。これは、消費税転嫁特別措置法に規定する消費税転嫁阻害表示によるものです。

この規定の趣旨は、消費者に消費税の負担について誤認されないようにするとともに、納入業者に対する買いたたきや、競合する小売事業者の消費税の転嫁を阻害することにつながらないようにすることを目的しています。そのため、事業者が消費税分を値引きする等の宣伝や広告を行うことが禁止となりました。
あくまで消費税分を値引きする等の宣伝や広告を禁止するものであり、事業者の企業努力による値引き等を制限するものではありません。

この規定の対象となる表示は、平成26年4月1日以降における商品や容器、包装、チラシ、電話、ネオンサイン、インターネットによる広告等、顧客を誘引するために利用されるあらゆる表示が対象となります。この中には、セールストークといった口頭による広告も含まれます。

具体的に3つに分けて説明させて頂きます。なお、禁止される表示に該当するか否かは、宣伝や広告全体で判断されます。

取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示
【禁止される表示】
   「消費税は転嫁しません。」
   「消費税を転嫁していないので、価格が安くなっています。」
   「消費税はいただきません。」
   「消費税は当店が負担しています。」
   「消費税はおまけします。」
   「消費税はサービス。」
   「消費税還元セール」 など
      ※「春の応援セール」や「新生活応援セール」など消費税との関連がはっきりしないものについては、禁止表示となりません。

取引の相手方が負担すべき消費税に相当する額の全部又は一部を対価の額から減ずる旨の表示であって消費税との関連を明示しているもの
【禁止される表示】
   「消費税率上昇分値引きします。」
   「消費税8%分還元セール」
   「増税分は勉強させていただきます。」
   「消費税率の引上げ分をレジにて値引きします。」など
      ※「消費税」や「増税」などの文言の記載がなく、たまたま消費税引き上げ分と一致するだけの「3%値下げ」や「3%還元」などは、
        禁止表示となりません。

消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示
【禁止される表示】
   「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します。」
   「消費税相当分の商品券を提供します。」
   「消費税相当分のお好きな商品1つを提供します。」
   「消費税増税分を後でキャッシュバックします。」など
      ※「消費税還元セール」や「消費税相当分、次回の購入に利用できるポイントを付与します。」などよく目にするような宣伝、広告が
        今後禁止されますのでご注意下さい。

消費税等の税率が従来の5%から平成26年4月に8%に引き上げられます。それにより、今回ご説明させて頂いた消費者や取引先に対する消費税の転嫁などの対応が事業者に求められます。また、この他にも「商品等の価格の変更決定」や「レジシステムの対応」などの様々な影響があると考えられます。
税金に関するご不明点等ございましたら、コンパッソ税理士法人までお気軽にご相談下さい。

川崎事務所 坪崎順

 

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