消費税の実務において注意が必要な点 その2

前回に引き続き、消費税の実務について注意が必要な点についてご紹介致します。
今回は、「たまたま土地の譲渡があった場合の消費税の実務」についてご説明致します。

適用を受けるための要件
課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を所轄税務署長に提出し、その適用を受けようとする課税期間の末日までにその承認を受けなければなりません。また、承認の審査については一定の期間を要するため、余裕をもって提出することが必要となります。

承認の要件
土地の譲渡が単発的なものであることと、以下の2つの要件を満たすことが必要となります。
(1)土地譲渡があったからといって事業者の営業の実態に変動がないこと
(2)過去3年間でもっとも高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内であること

適用する課税売上割合に準ずる割合
次のいずれか低い割合を承認申請することになります。
(1)その土地の譲渡があった課税期間の前3年間に含まれる課税期間の通算課税売上割合
(2)その土地の譲渡があった課税期間の前課税期間の課税売上割合

<注意点>
(1)この適用を受けるための承認は「課税期間の末日」であり確定申告書の提出期限ではないため、課税期間の末日直前に土地の譲渡がある場合には、前もって承認を受けることが必要となります。
(2)適用する課税売上割合に準ずる割合が95%以上である場合でも、95%ルールによって全額を仕入税額控除出来るわけではなく、あくまでも課税売上割合に準ずる割合で仕入税額控除を計算することになります。
(3)恒常的に95%ルールによって全額仕入税額控除を行っている事業者は、課税仕入れの区分を「課税売上にのみ要するもの」「非課税売上にのみ要するもの」「共通して要するもの」に分けていないケースが多く、土地の譲渡がありそうな場合には、その課税期間の開始の日から課税仕入れの区分を分けることが必要となります。

土地の譲渡は消費税の計算上非課税となり、課税売上割合を大きく下げることにつながるため、土地の譲渡が無かったものとした場合と比較して仕入税額控除が減少してしまいます。そこでたまたま土地の譲渡があった場合には「課税売上割合に準ずる割合」を適用して消費税の計算をすることをお勧めします。
次回は、「事業者免税点制度の見直しについて」をご紹介します。

出典:TKC出版「改正消費税の実務対策」、国税庁HP

川崎事務所 鈴木伸明

 

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