消費税の実務において注意が必要な点 その1

今回から3回連続で、消費税の実務について注意が必要な点についてご紹介致します。
今回は、「非課税売上に対する間接経費の考え方」と「管理部門の経費や販管費の取扱い」についてご説明致します。

非課税売上げに対する間接経費の考え方
課税売上割合が100%でない限り、課税仕入れには非課税売上げに関与する部分が含まれています。そのためすべての課税仕入れを「課税売上げにのみ要するもの」として処理することはできません。
たとえば、預金利息や社宅賃貸などの非課税売上がある会社で、預金を管理する経理部門や会社全体としての事業を担う総務部門における光熱費や器具備品の購入費用等は、非課税売上にも関与していると考えられるため、これらの費用は「課税売上げ、非課税売上げに共通して要する課税仕入れ」に区分され、課税売上割合を乗じた金額のみが控除の対象となります。
ただし、本社管理部門や総務部門でも、例えば営業事務のみを行っている部門や生産管理のみを行っている部門のように、課税売上げのみに関与している部門を合理的に区分できる場合には、当該部門については「課税売上げにのみ要する課税仕入れに対応するもの」と区分して差し支えないと考えられます。

管理部門の経費や販管費の取扱い
営業部門と経理部門がある企業(販売商品はすべて課税対象の場合)を例にとって考えます。

・電話代等の場合
電話番号が細分化されていない請求がきた
  →すべてを「課税売上げ、非課税売上げに共通して要する課税仕入れ」とします。
営業部門の電話番号が別になっている
  →営業部門の電話代を「課税売上げにのみ要するもの」とし、その他の番号の分を「課税売上げ・非課税売上げに共通して要する課税仕入れ
   として仕訳を細分化します。

・広告代の場合
製品カタログ・製品広告は、「課税売上げにのみ要するもの」、会社案内・名刺広告は「課税売上げ・非課税売上げに共通して要する課税仕入れ」というように細分化することは認められると思われます。
一般的には、製品カタログ・広告などの費用のほうが多額になると考えられます。細分化できない場合には「課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ」となり、税額控除が減ることになります。使用目的や部門による区分を用いて課税仕入れ等の内容を細分化し、「課税売げにのみ要するもの」をできるだけ多く抽出することがポイントになります。

次回は、「たまたま土地の譲渡があった場合の消費税の実務について」をご紹介します。

出典:TKC出版「改正消費税の実務対策」

川崎事務所 塩崎優美子

 

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