消費税のこれから

2014年4月の消費税率8%へ引き上げ後、食品や日用品など、家計への負担がかなり増えたと感じている方も多いのではないでしょうか。消費税法は、1989年4月に3%の税率で施行、その後1997年4月に5%に引き上げられ、今回は17年ぶりの改正となりました。

政府は、消費税率引き上げの理由として、少子高齢化により、社会保険料などの現役世代の負担が高まりつつあるが、所得税や法人税の引き上げを行えば、一層現役世代に負担が集中することになります。そのため、特定の者に負担が集中せず、高齢者を含め国民全体で広く負担する消費税が、高齢化社会おける社会保障の税源にふさわしいと考えられること、また、所得税や法人税の税収は不景気のときには減少しているが、消費税は毎年10兆円程度の税収が続いており、税収が経済動向に左右されにくく安定した税であることをあげています。

ところが、2014年11月、7~9月期の国内総生産(GDP)が想定以上に悪く、増税に耐えうる経済状況ではないとの判断により、2015年10月から予定されていた10%への引き上げを見送り、2017年4月に延期することが表明されました。

では、日本の消費税にあたる世界各国の付加価値税はどのようになっているのでしょうか。
税率を比較してみると、フランス20%、ドイツ19%、イギリス20%、スウェーデン25%のなか、日本(税率8%)は世界各国に比べて、かなり低いようです。しかし、もともと消費税の対象とならない非課税項目の範囲が以下のように違い、また、日本にはない税率0%軽減税率の適用が諸外国には存在するなど、税率の比較だけでは一概に日本の税率は低いとはいえません。

非課税項目をみてみると、日本では不動産取引のうち非課税となるものは、土地の譲渡・賃貸、住宅の賃貸に限定されていますが、フランス、ドイツ、スウェーデンでは、不動産取引そのものを非課税の対象としています。ゼロ税率を採用しているイギリスでは、食料品、水道水、新聞雑誌、書籍、国内旅客輸送などがその対象となっています。
また、日本でも検討されている軽減税率ですが、フランス(標準税率20%)では、旅客輸送、肥料、宿泊施設の利用、外食サービス等は10%、書籍、食料品等は5.5%、新聞、雑誌、医薬品等は2.1%。ドイツ(標準税率19%)では、食料品、水道水、新聞、雑誌、書籍、旅客輸送、宿泊施設の利用等は7%となっています。

消費者にとって、軽減税率の適用は、家計の負担減少となり、税率の引き上げも受け入れやすいと考えられます。しかし、対象項目の線引きが非常に大変であること、販売する側の企業の事務負担やコストの負担の増加など様々な問題点があります。
消費税の税率引き上げは、社会保障の税源という大切な役割を担っていますが、国民の家計負担は増え、低所得層になるほどその影響は大きいものとなります。政府には、今後の消費税のあり方を慎重に検討し、国民が納得できる方向性を示してほしいと思います。

出典:財務省HP

川崎事務所 塩崎優美子

 

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