海外へ転勤になったら、海外勤務中の所得税など注意しましょう

 海外勤務の滞在予定期間が1年以上になる方は注意が必要です。
 1年以上海外勤務する人を所得税法上「非居住者」と言います。国内に住所又は 現在まで引き続き1年以上居所を有する個人を「居住者」といい、居住者以外を非居住者といいます。
 1月1日から国内勤務の終了日までは国内所得となり、勤務先の給与のみの場合、転勤日までの所得税は海外赴任前日を年末とみなして年末調整をし、所得税を精算します。
 各種所得控除も出国日までに支払われた金額で計算します。扶養控除、配偶者控除等の人的控除も出国時の現状で判断します。
国内での所得には所得税がかかりますが、海外勤務での給与には日本の所得税は課税されませんから、国内所得の精算を一度行う事になるわけです。

 国内で不動産所得等があり、確定申告が必要な場合には、国内所得に関して「所得税の納税管理人の届出書」を所轄の税務署に提出し、納税手続等を納税管理人に代理してもらいます。国内にある不動産の売却も譲渡所得として確定申告が必要になります。
 納税管理人は個人でも法人でもかまいませんが、一般的には信頼できる身内になってもらうのが良いと思います。税務署からの書類の受取や納税、還付金の受取り等他人に知られたくない事柄も管理して頂くからです。

 海外支店などに勤務する会社員でも日本法人の役員の場合は、一部の方を除き日本国内で生じた給与として所得税20%、復興特別所得税0.42%が源泉徴収されます。諸税はその課税の取扱について多数の国と租税条約を結んでいます。 租税条約に異なる取扱いがあるときは、その取扱いが優先しますのでより注意が必要です。

 住民税はその年の1月1日において住所がある市区町村に6月から翌年の5月にかけて納付します。未納分は国内最後の給与 から一括天引きしてもらうか、出国後は納税管理人が支払うことになります。
 その他の注意事項として、所得税について二重課税を回避するため外国税額の取り扱いや、社会保険について社会保障の取り扱いを勤務する会社に確認することをお勧めします。

 1年以上の海外勤務を終えた帰国後の税金についても注意しましょう。

参考 国税庁HP
川崎事務所 高橋 操

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