法定調書

平成27年分の所得税確定申告から、一定の要件を満たした者は「財産債務調書」の提出が義務付けられました。
従前から同様の財産債務明細書はありましたが、より正確な財産把握等を目的として財産債務調書の提出制度が創設されました。財産債務調書の内容は、KSK(国税総合管理)システムに登録され、「所得税・相続税の申告の適正性を確保する」観点から利用されるとのことです(財産債務明細書の内容はKSKには登録されていなかったようです)。
今回は、財産債務調書もその種類の一つである『法定調書』(平成27年4月1日現在法令等において61種類ある)のうち、いくつかをご紹介したいと思います。

金地金等の譲渡の対価の支払調書
1.手続対象者
金地金等の売買を業として行う者

2.対象となるもの
金地金、金貨、白金地金、白金貨

3.提出範囲
200万円超の金地金等の売却等

4.解説
銀の売却についてはこの調書の対象外です。金やプラチナでも、アクセサリーなどは対象外という点が面白いですね。

国外送金等調書
1.手続対象者
金融機関

2.対象となるもの
国内から国外への国外送金、国内における国外からの送金等の受領

3.提出範囲
100万円超の送金等

4.解説
税務署から「国外送金等に関するお尋ね」が届くこともあります。もし届いた場合は無視をせず、適切な回答をするのがよいでしょう。

国外証券移管等調書
1.手続対象者
金融商品取引業者等

2.対象となるもの
国内の証券口座から国外の証券口座への有価証券の移管、国外の証券口座から国内の証券口座への有価証券の受入れ

3.提出範囲
金額による除外はなく、全ての証券移管

4.解説
平成27年1月1日以後の移管等からこの調書の対象となりました。有価証券等については他の法定調書も含めると、ほぼ税務署が把握し得ることとなったと言えるでしょう。

法定調書については、適正な課税の確保をするという目的であることに間違いはありません。ただ、平成27年7月1日から運用されている国外転出時課税や上記の財産債務調書などの制度が、近年立て続けに創設されている点との関係性をふまえると、富裕者層への課税強化の印象を受けることも否定できません。
不明点、疑問点等ございましたらお気軽にコンパッソ税理士法人までご連絡ください。

出典:国税庁HP
    週刊税務通信 3399号

渋谷事務所 加藤義隆

  

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