法人の住民税納税義務者について

法人が、いろいろな場所に営業所や工場あるいは保養所等を所有している場合において、住民税の納税義務があるのかどうか判断に迷うことがあります。今回は、法人における住民税の納税義務の有無についてご紹介いたします。

法人の納税義務者
法人住民税の納税義務者は、国内に、事務所・事業所又は寮等(以下、事務所等といいます)を有する法人に課税されます。これは地域社会の行政サービスの負担を求めるためです。

課税される法人住民税
法人住民税には都道府県と市町村の2つの住民税があり、いずれも均等割法人税割からなります。但し、東京都23区では、東京都が都民税と市町村民税を併せて徴収します。
均等割とは、法人の所得に関係なく資本金等やその市町村等で働く従業員数等を基準に課税される税金であり、例えその事業年度が赤字でも課税されます。
法人税割は、その事業年度の法人税を課税標準として一定の税率を乗じて課税されます。

事務所等の定義
法人住民税が課される事務所等とは、実際にそこで事業が行われている場所をいいますが、具体的には次の要件を満たすものとなります。
1.事業上の必要から設けられた場所であること。
2.人的及び物的設備を有する場所であること(法人が所有しているか否かは問いません)。
3.継続して事業が行われる場所であること。

法人の事務所等を有する市町村及び都道府県(以下、市町村等といいます)
市町村及び都道府県のいずれも、均等割+法人税割が課税されます

法人の登記簿上の本店だけで事務所等を有していない市町村等
この場合は、市町村等に事務所等を有しませんので、均等割+法人税割とも課税されません

法人の派遣先の事務所等
1.派遣先の社員が指揮命令
派遣元法人の社員が派遣先の作業場を受け持っていても、派遣先法人の社員がその作業について指揮命令を行っている場合には、その作業場は派遣元法人の事務所等には該当しませんので均等割+法人税割とも課税されません

2.下請法人が使用する現場事務所等
発注法人の工場内等設けられた現場事務所において、下請法人が自己の責任により業務を発注法人から請け、発注法人の指揮命令下にないならば、この現場事務所は下請法人の事務所等に該当することとなり、均等割+法人税割とも課税されます

法人の保養所等のみ有する市町村等
原則、均等割のみ課税されます。法人税割りが課税されないのは、保養所等は法人の営利目的の施設ではないためと考えられます。
均等割のみ課税される保養所等とは、法人の所有の有無にかかわらず寮・クラブ・保養所等で従業員の宿泊・慰安・娯楽等のために常時設けられている施設をいいます。独身寮等の居住用の施設は、その居住者が住民税を納付していますが、寮等には居住者がおらず、住民税を納付していないためです。

法人の独身寮等のみ有する市町村等
均等割+法人税割とも課税されません。法人の有する独身寮は、従業員の居住の用に供しており、当然、その入居者は地元自治体へ経費負担としての住民税を納めているためです。

法人における住民税の納税義務の有無についてご紹介は以上となります。ご不明点等がございましたら、コンパッソ税理士法人までお問合せ下さい。

出典:財団法人大蔵財務協会発行「地方税Q&A」

千葉流山事務所 清水信夫

 

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