法人における貸倒引当金の制度縮小について

平成23年度税制改正(平成23年12月2日公布・施行)で、法人税率の引き下げに伴い、課税ベースの拡大が行われ、それに伴い貸倒引当金の範囲を縮小する改正が行われました。
今回は、貸倒引当金の制度縮小された内容についてご説明します。

貸倒引当金とは
企業が有する売掛金、貸付金その他これらに準ずる金銭債権等について将来発生する回収不能見込み額(貸倒引当金)を損金経理した場合、法人税法上、金銭債権を個別評価金銭債権と一括評価金銭債権とに区別して、それぞれ繰入限度額まで損金算入が認められる制度です。
適正な資産評価および損益計算のために計上される抽象的な概念であり、リスクを定量的に表現したものにすぎません。そのため、貸倒引当金に相当する資金が現実に確保されるわけではありません。

貸倒引当金の縮小について
改正により、平成24年4月1日開始事業年度から、貸倒引当金の計上ができる法人は次に限定されます。
1.資本金が1億円以下の中小企業(資本金が5億円以上の法人による完全支配関係がある法人は除きます)、公益法人等、協同組合等、人格のない社団等
2.銀行・保険会社等
3.リース会社等

上記のとおり、中小企業等については、引き続き現行制度の適用が認められますが、資本金が1億円を超える大企業等については、平成24年4月1日以後の開始事業年度から、原則、貸倒引当金の計上が廃止されます。しかし直ちに貸倒引当金の全額が損金不算入となるのではなく、経過措置が設けられ3年間にわたって、改正前の規定により計算した個別評価金銭債権・一括評価金銭債権の限度額を、段階的に毎期4分の1ずつ縮小することになります。

<改正後の貸倒引当金の対象となる金銭債権>
上記の中小企業等、銀行・保険会社等については、改正前と同様の金銭債権が貸倒引当金の設定の対象になりますが、リース会社等については、一定の金銭債権に限定されることになりました。

以上が改正の内容になります。詳しくはコンパッソ税理士法人までお問い合わせください。

出典:平成23年度 法人税関係法省令の改正の概要

渋谷事務所 伊藤雅秋

 

この投稿へのトラックバック

トラックバックはありません。