法人における「宝くじ」利用は、ありかなしか

 個人で購入した宝くじが当選した場合にその受け取る当選金に税金がかからないのは、ほとんどの人が知っていることと思います。
 では、法人で購入した場合は、どうでしょうか。法人で購入した宝くじが当選した場合に受け取る当選金は、個人とは違い、法律により税金がかからない扱いとはなっておらず、法人税の対象となる収入となります。

 ただ、数ある中小企業の中には、資金繰りが苦しくて宝くじで一獲千金を夢見て購入する会社や購入資金を会社の経費にして当選した場合だけその宝くじは個人で購入したものとするケースが見受けられます。いろいろと知恵を働かす人はいるものです。
 仮に当選した場合にその宝くじの購入費全額が経費になるのではと思っていらっしゃる方もいるのではないでしょうか。
残念ながら法人税の計算上、損金とできるのは、その当選宝くじの購入費だけなのです。1枚300円の宝くじを10,000枚購入してその1枚が当選した場合には、その金額は、3,000,000円ではなく、300円だけなのです。すべて当選していなければ、残念ながら「0円」です。法人の本来の事業において直接要した費用である「販売費」に該当する費用ではないため損金にはできないのです。
 ただ、宝くじを社内行事の商品としたり、取引先へ配布したりするために購入した場合には、その費用は、福利厚生費、広告宣伝費、接待交際費として経費にはできます。従って、法人で販促品等として宝くじを購入するのはありですが、他の目的で宝くじを購入するのは、得策ではありません。
 個人の当選金は、当せん金付証票法により非課税となっているのですから、個人で購入して、当選したならば、資金繰りの厳しい時にはその当選金を法人へ貸し付けるのはありだと思います。ただ、当選の可能性は非常に低いでしょうが・・・

 ちなみに国内とは比べ物にならない当選金を手にすることができる海外の宝くじを日本国内で購入した場合の扱いについてご存じでしょうか。この場合の当選金は、懸賞の商金品、競馬の馬券の払戻金などと同じで個人の場合は、一時所得として税金がかかることとなります。ただ、ご注意ください。海外の宝くじ購入は、刑法第187条によって禁じられています。
 でも、海外において現地の宝くじを購入することは問題がありません。出張や旅行の際に購入するのはありです。

参考
*当せん金付証票法
 (特別措置)
 第13条  当せん金付証票の当せん金品については、所得税を課さない。
*刑法
 (富くじ発売等)
 第187条 富くじを発売したものは、2年以下の懲役または150万円以下の罰金に処する。
 2 富くじ発売の取次ぎをした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
 3 前2項に規定するもののほか、富くじを授受した者は、20万円以下の罰金又は科料に処する。

東京練馬事務所 南 宏一


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