株主総会議事録の重要性

 中小企業では、代表取締役(社長)一人または少数の取締役によって会社経営の意思決定が行われており、株主も社長(あるいは複数の親族)自身であるケースが多いものと思われます。
 このような会社においても、最高の意思決定機関は株主総会であり、株主総会議事録は、意思決定の根拠資料として様々な場面で重要となります。
 そこで今回は中小企業における株主総会議事録の基本的な事項について、触れてみたいと思います。なお、議事録の文例については他のHP等でも多く紹介されていますので、割愛させていただきます。

1.定時株主総会
(1)位置づけ
  毎決算期後に開催される株主総会です。会計期間が1年の会社では毎年1回必ず開催されるものとなります。会社ごとに定款に定めがあるはずですが、毎決算期後3か月以内に開催するとされているものがほとんどです。
(2)決議事項
 ①決算承認に関する決議
  その事業年度の決算内容について、取締役又は監査役が株主に対して報告を行い、決算内容の承認を決議します。
 ②配当に関する決議
  配当金を支払う場合には、配当の種類、割当の内容、効力発生日等を決議します。種類株式を発行している会社は、内容を株式の種類ごとに議事録に残しておくことが大切です。
 ③役員報酬に関する決議
  役員報酬の総額(全取締役に対する年間報酬として、会社として支給できる限度額)を決議します(※)。続いて、取締役会非設置会社においては、個々の役員毎に役員報酬の月額、年額を決議します。税務の面からポイントとなるのは、個々の役員毎に「〇月分の報酬から月額〇〇〇円とする」と記載する等、人別に金額と時期を明確にしておくことです。
  ※支給限度額を定款で定めている会社もあります。
 ④役員の改選等に関する決議
  取締役や監査役の任期が到来した場合には、定時株主総会において改選(重任)を決議します。

  ①~④でご紹介したものは、多くの会社で出てくるであろうものです。上記以外にも株主総会での決議事項について、定時株主総会を開催するタイミングで決議できるものについては、定時株主総会で決議し議事録に残すことになります。

2.臨時株主総会
(1)位置づけ
上記のように、定時株主総会は1年に1度開催されるものです。しかし、会社は日々動いていますので、定時株主総会以外のタイミングで株主総会を開く必要性が出てきます。そのような際に開催されるのが臨時株主総会です。
(2)決議事項
  決議事項は様々ですが、よく出てくると思われるものを例示します。
 ①合併、事業譲渡等に関する決議
  合併や事業譲渡等を行う場合には、その合併等の契約について株主総会の承認を受ける必要があります。ここでは合併の目的などを議事録に残しておくことが大切です。
 ②役員退職慰労金の支給に関する決議
  退任した取締役に対し退職慰労金を支給する場合に、その金額や支給時期を決議します。特に役員退職慰労金規定がない場合又は規定とは異なる金額を支給する場合については、支給金額の妥当性を明らかにするために、計算方法の詳細を議事録に残す必要があります。

  上記以外にも議事録に残さなければいけないもの、あるいは残しておいた方が良いものは多岐に渡ります。そして、冒頭にも記載しましたが、議事録は会社の重要な決定事項を記録するものです。今一度議事録が整備されているか見直しを行ってみてはいかがでしょうか。
  

渋谷事務所 大橋 暁

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